2006年01月06日

■キング・コング

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 1933年ニューヨーク。野心家の映画監督カール・デナム(ジャック・ブラック)は、かつてない冒険映画を撮りたいという野望を持っていたが、撮影中の映画が製作中止になりかけていた。しかしカールは撮影の強行を決意し、幻の島を求めて脚本家のジャック(エイドリアン・ブロディ)と美しい新人女優アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)を誘い、撮影クルーとともに航海に乗り出す・・・。

 1933年に公開された「キング・コング」のリメイク作品である今作は、オリジナル作品を観て監督を志したというピーター・ジャクソン監督の手にによるもの。前半では映画監督であるカールが、運命の女性アンや脚本家のジャックらとスカル・アイランドの辿り着くまでを描き、後半では島に生息する未知の生物との戦いやコングとアンの交流等を描いていく。 

 「上映時間が長い」。これがまずこの作品に対する第一印象だ。ただ、この「長さ」を感じさせないくらいに、物語に入り込んでいける。特にスカル・アイランドに到着してからは目まぐるしく展開し、中でも恐竜から逃げ惑うシーンでは、時折笑いを織り交ぜつつも迫力ある映像で魅せてくれる。また、コングがアンを守るために数頭の恐竜を相手にする戦闘シーンは、観ていて思わず体が動いてしまうくらいの臨場感がある。

 難をいえば、ジャックとアンの関係性を表すエピソードが少ないことだ。この辺りの描写に時間を割いていれば、ジャックが攫われたアンを助ける為に危険を冒す行動にもう少し説得力を持たせることが出来たのではないだろうか。そして、前半と後半で別々の物語を作れそうなくらいに長い上映時間・・・。カールが幻の島に辿り着くまでに紆余曲折を簡潔にし、ニューヨークでのコングの描写に時間をかけて欲しかったところだ。
 
 しかしコングの躍動感溢れる動き、そして感情を訴えかけるような瞳の動きは必見であり、スカル・アイランドという未開の地の風景や、コングとアンが見た夕焼けの美しさは見事の一言に尽きる。これらの映像は映画館で観るに相応しく、娯楽作品として申し分のない出来だった。

ルーピーQ的評価・・・★★★★☆四つ星です。


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2005年12月11日

■Mr.&Mrs.スミス

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 南米で情熱的な恋に落ちたジョン(ブラッド・ピット)とジェーン(アンジェリーナ・ジョリー)は、結婚し、晴れて「Mr. & Mrs. スミス」となる。5〜6年後、夫婦に倦怠感が生まれていたある日、ふたりはお互いの「裏の顔」を知ってしまう。ジョンは建築業を隠れ蓑にした凄腕の殺し屋、そしてプログラマーのジェーンは暗殺組織のエースだったのだ・・・。

 最強の殺し屋の男女が、互いの素性を知らないまま結婚。しかし結婚生活も5〜6年経って、そろそろ倦怠期になっていた。そんな時に、お互いの素性がバレてしまったら・・・。物語は、どこにでもありそうな問題を抱えた夫婦が、双方が互いに敵対する組織のメンバーだった為に巻き起こる騒動を、コミカルに描きながらド派手なアクションで見せる痛快なラブコメディだ。

 お互いの正体が明らかになりそうな緊迫感や、ジョンとジェーンの仕事の腕をもっと見せて欲しかった気もするがそこはそれ。素性がバレてしまった後に繰り広げられる大迫力の夫婦ゲンカは、日頃のストレスを発散できそうなくらいパワフルで、ある意味爽快ですらある。中でも自宅での大乱闘シーンは、プライベートでも話題の二人という事で息の合ったコンビネーションを見せてくれる。

 倦怠感を吹き飛ばすには、強力な刺激が必要だということだろうか。冒頭とラストに挿入されるカウンセリングシーンは上手い演出で、思わず笑ってしまった。良い意味でハリウッド的娯楽映画であり、難しく考える必要がないサービス満点の仕上がりになっている。


ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。


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2005年11月09日

■ブラザーズ・グリム

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 グリム兄弟、ウィル(マット・デイモン)とジェイコブ(ヒース・レジャー)は、魔物退治で賞金稼ぎをする旅を続けていた。しかし、ドイツの村で芝居がばれて、その地を支配するフランス将軍に逮捕されてしまう。将軍はグリム兄弟に命じ、森で10人の少女が姿を消した事件の調査に向かわせた。猟師の娘アンジェリカ(レナ・ヘディ)をガイドに、森の奥深くに立つ塔にたどり着いたグリム兄弟は、その塔に伝わる女王の逸話を知る。その頃、森に不気味な異変が起こり始めていた・・・。

 魔物退治で名を馳せているグリム兄弟が、実は詐欺師だった・・・。グリム兄弟の冒険譚を期待すると、完全に肩透かしを食らう。物語の冒頭で魔物退治のタネを明かされた時、この設定を受け入れることが出来れば不思議な物語の世界を満喫できるだろう。

 童話でお馴染みのヘンゼルとグレーテルや、赤ずきん、ラプンツェル、白雪姫などのキャラクターが散りばめられているので、エピソード中にどの童話がモチーフになってストーリーに絡んでいるのかを見ても面白い。呪われた森で起こる怪事件に不可思議な現象というファンタジー的な要素を取り入れて、凝った映像も楽しむことが出来る。

 イマジネーションを掻き立てられる筋立てではあるものの、ユーモアとファンタジーのバランスが悪く、また現実的な兄と夢想家の弟という主役二人のキャラクターに魅力が感じられなかった。キャストが豪華なだけに残念なところだ。塔の魔女を演じたモニカ・ベルッチが、お伽噺の女王さながらの美しさで物語に華を添えている。

ルーピーQ的評価・・・★★・☆☆二つ星半です。


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2005年11月05日

■SAWU -ソウ2-

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 刑事エリック(ドニー・ウォールバーグ)のもとに殺人事件発声の報が来る。現場には頭部が半分欠如した惨殺死体が転がっていた。その残虐極まりない手口は、世の中を騒がせた連続殺人犯“ジグソウ”(トビン・ベル)を連想させた。果たしてあの連続殺人事件の時のように、またしてもジグソウの犯行なのか・・・。

 この手の作品は予備知識を入れると面白さが半減してしまうので、未見の方はあまり事前に情報を仕入れずに観賞する事をお勧めする。前作『ソウ』レビュー

 ソリッド・シチュエーションの傑作『ソウ』の続編である今作は、前作から7ヵ月後、物語は“ジグソウ”による新たなゲームで幕を明ける。

 前作はバスルームに閉じ込められた2人の人間がゲームの中心だったのに対し、今作は一軒の家に閉じ込められた8人の男女が仕掛けられたゲームが中心となる。登場人物を多く設定したことや、移動が比較的自由に出来ることで閉塞感や緊迫感が少々損なわれていたように思う。数少ない手がかりを頼りにパズルを完成させていくような、前作のゲーム性が失われている感があった。

 “ジグソウ”の目的が明らかになっている事で前作の勢いや衝撃はやや薄れたものの、緊迫した状況設定は前作同様で、特に最後の10分間は画面から目が離せない。閉じ込められている8人が行うゲームと、さらにその外側からゲームに参加している刑事という二重、三重の構造はこの作品ならではの面白さだ。

 「ゲーム」があり、その「ルールを守ること」でゲームに勝ち「生への感謝」を感じられる。それらがクリア出来なければ待っているのは、「ゲーム・オーバー」・・・“振り出しに戻る”。作中に散りばめられたいくつもの謎を、一度で解明出来ないので何度も観てしまう。シンプルな構造の中に、複雑な謎が絡まっていて頭をフル回転しなければならない作品である。前作が楽しめたなら今作も観て損はないだろう。


ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。


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2005年09月18日

■チャーリーとチョコレート工場

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 両親と両祖父母と一緒に、傾いた家で細々と健気に暮らすチャーリー(フレディ・ハイモア)。彼の楽しみは、年に一度、誕生日だけに買ってもらえる“ウォンカ”印のチョコレートだ。世界中で爆発的な売り上げを記録しているウォンカのチョコレートだが、実は誰も工場に人が出入りしているところを見たことがない。いったい誰がどのようにチョコレートを作っているのか? ウォンカ(ジョニー・デップ)とはいったいどんな人なのか? ある日のこと、「チョコレート工場に5人の子供を招待する」とウォンカが発表。チャーリーはその幸運な5人の中に入れるのか・・・。

 原作はロアルド・ダールの「チョコレート工場の秘密」。全世界で1300万部を売り上げるベストセラーの映画化。

 謎のヴェールに包まれたチョコレート工場、その中に一歩足を踏み入れると、小さいころに絵本で読んだような世界が広がっている。チョコレートの川に砂糖菓子の船が浮かび、木や草花に至るまで全てがお菓子で出来ている。カラフルに彩られた森は、見ているだけで楽しくなる。

 ユニークな音楽にも意識がいく。ウォンカに始まって、夢のチケットを手に入れた子供達に合わせた歌を歌う“ウンパ・ルンパ”たち。その歌詞はブラック・ユーモアたっぷりで苦笑してしまう。“ウンパ・ルンパ”たちの歌と踊りに合わせて思わず身体が動いたら、きっと物語に入り込めて、チャーリーと共に「チョコレート工場」を見学している気分を味わえるだろう。 

 可愛げのない子供たちに“オシオキ”をするウォンカはどこか不気味に見え、その行動については賛否があり好き嫌いが分かれるところだ。ただラストにはホロリとさせられて、子供たちや親への教訓と共に「家族の大切さ」が伝わる作品に仕上がっている。一癖も二癖もある登場人物の中で、フレディ・ハイモア演じるチャーリーの純粋さは余計に印象的に映った。

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。 


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posted by ルーピーQ at 01:17| 千葉 ☁| Comment(79) | TrackBack(212) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月04日

■容疑者 室井慎次

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 新宿で起きた殺人事件で、捜尊本部長を務めていた室井(柳葉敏郎)。事件は被疑者が逃走中に事故死して決着したが、室井は疑問を拭いきれず捜尊を続行する。その頃、被疑者の母親が捜尊の行き過ぎを指摘し、室井を告訴した。室井の弁護についたのは、津田法律事務所の新・、小原久美子(田中麗奈)。名うての弁護士集団を率いる灰原(八嶋智人)相手に、久美子は室井の釈放に奔走するが、その頃警察機構内では意外な思惑が交差していた・・・。

 「交渉人 真下正義」に続く、「踊る大捜尊線」のスピンオフ企画第二弾。警察庁と警視庁の確執に巻き込まれながらも、信念を貫き事件の真相を追う室井の姿を描く。

 ストーリーは、新宿で起きた殺人事件を軸に警察庁と警視庁、それぞれの思惑が絡みながら進んでいく。「交渉人 真下正義」が動だとすると、「容疑者 室井慎次」は静の部類に入るだろう。前者がエンターテイメント性を前面に出しているのに対し、今作では一貫してシリアスな展開を見せている。「交渉人」の流れで「容疑者」を観ると、その違いに戸惑うかもしれない。 

 室井というキャラクターの性質や物語の設定上、周囲が動くことで室井のキャラクターが際立つと思うのだが、今作は脇役の動きや描写が中途半端な印象を受ける。これは演出の問題だろうが、シーンの一つ一つは拘りが感じられ、琴線に触れるエピソードもあるが、物語として繋げるとどこか違和感が残ってしまう。シリアス路線をいくには、脚本やキャラクターに対しての掘り下げが不足しているのではないか。活躍を期待した工藤(哀川翔)と室井とのエピソードが少ない為に、工藤を始めとする新宿北署の面々が何故室井に付いて捜尊を続行していくのかが分からず、キャラクターが活きていない。また新・弁護士小原に関しても同様で、弁護士としての仕事ぶりに疑問が残り、シリアスな人間ドラマには感じられない。これらのキャラクターが活かされたものであるならば、ストーリーに入り込めたと思う。

 新城(筧利夫)や沖田(真矢みき)が室井のために奔走する姿や、自らの出世と保身しか考えていない警察官僚の中で、青島との約束を守る為に現場で信念を貫き、真実を追求する室井の姿は、シリーズを通して観ている人間としては感じ入るものがある。また、スリー・アミーゴスは、作品の雰囲気を和らげる意味では嬉しい登場だった。


ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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posted by ルーピーQ at 01:39| 千葉 | Comment(41) | TrackBack(129) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月25日

■亡国のイージス

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 東京湾沖で訓練中の海上自衛隊イージス艦「いそがぜ」で、艦長が何者かに殺害された。宮津副艦長(寺尾聰)は、先任伍長の仙石(真田広之)に、犯人が如月一等海士(勝地涼)であると告げ、乗務員を艦から退去させる。しかし宮津は、某国の対日工作員、ヨンファ(中井貴一)と共謀し、特殊兵器「グソー」の照準を東京首都圏に合わせていた。その頃陸では、防衛庁情報局の渥美(佐藤浩市)たちが対策に乗り出す。なす術を失った政府は、米軍の新型爆弾を使い、「いそかぜ」を空から消滅することを検討しはじめる・・・。

 福井晴敏の、同名ベストセラー小説の映画化。最新鋭のイージス護衛艦「いそかぜ」に持ち込まれた化学兵器<GUSOH>を巡る、テロリストと日本政府との攻防を描く。

 海上自衛隊、、航空自衛隊の全面協力を得て撮影された映像は、作品が持つテーマを支えるリアリティがあり、CGでは出せない臨場感に溢れている。

 しかしこの手の作品、つまり長編小説の映画化に多く見られる、一つ一つのエピソードや人物に対しての描写不足が目立つ。宮津副艦長とその部下との信頼関係、何故宮津が工作員のヨンファと共に日本を攻撃するに至る心情、某国のテロリストたちの動機、如月とヨンファの妹であるジョンヒとの関係、先任伍長の仙石がイージス艦に賭ける想い、そして防衛庁情報局(DAIS)の存在など、要素を詰め込みすぎて描ききれていない、中途半端な印象を受けた。

 専守防衛という国家が抱える矛盾を突き、自衛隊の存在意義や国の在り方を問いかけるという硬派でデリケートなテーマを描くには時間が足りないのも事実だ。しかし邦画ではあまり見ることが出来なかったスケール感の作品であり、エンターテイメントとしては良かったと思う。


ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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2005年08月21日

■アイランド

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 近未来の巨大施設。毎日規則的な生活を続ける入居者たちの中に、リンカーン(ユアン・マクレガー)とジョーダン(スカーレット・ヨハンソン)もいた。地球は汚染されており、生き延びることのできた彼らは施設で守られているのだと、みな信じていた。施設から出られる道はひとつ。唯一、汚染を逃れた「アイランド」へ移住すること。ある日、ジョーダンが「アイランド」行きの抽選に当たる。しかし、その頃、リンカーンは「アイランド」行きは死を意味するのだと知ってしまう。彼は、ジョーダンの手を取り施設を脱走する・・・。

 単純明快で入り込みやすいストーリー、その中に内包するテーマは複雑である。クローンの人権や存在意義など、主人公にクローンを据えてその視点で話を進めることで、クローン人間を造る倫理上の問題や、それを望む人間の傲慢を浮き彫りにしている。クローン人間をまるで物のように扱い、ホストのニーズに合わせて生成売買する人間の姿は、現代社会が有する問題を喚起させ考えさせられる。
 
 施設から逃亡するリンカーンとジョーダン。2019年の近未来という設定だが、作中の半分は占めているのが主人公二人のド派手な逃走シーンである。SFの要素よりもこちらの方が比重が重く、アクション映画さながらに展開される逃亡劇は迫力満点で観る者を飽きさせることはない。重厚なテーマを扱いながらもエンターテイメントとして充分に成立し、肩の凝らない作りになっている。

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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2005年08月07日

■スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

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 アナキン(ヘイデン・クリステンセン)とパドメ(ナタリー・ポートマン)の極秘結婚から3年後、分離主義者の勢力は拡大し、共和国を脅かす存在となっていた。シスの暗黒卿ダース・シディアスは銀河系の支配を成功させるため、邪魔となるジェダイの騎士殲滅の策略を巡らすとともに、アナキンの高い能力に着目。パドメを失う夢を見たアナキンの恐怖心に付け入り暗黒面に引き込もうと試みる。一方、ジェダイの騎士たちは共和国元老院パルパティーン最高議長の動向に不安を覚え、アナキンをスパイとして送り込むとともに、分離主義者への攻撃を試みるが・・・。

 DVDとTVの放映で復習してから「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」に臨みました。

「遠い昔、はるか彼方の銀河系で・・・」

 このあまりに有名なオープニング映像と音楽は、スター・ウォーズを観たことがない人でも知っていることでしょう。このオープニングを大スクリーンで観ただけでも感激してしまいました。最初から・力のあるシーンの連続で、エピソード1、2の時に感じた眠気(失礼)を感じる間もありません。

 前作を観た時に危惧していた、オビ=ワンとアナキンの確執(というよりアナキンのオビ=ワンに対する不信感)は今作(前半部)では感じられず、良好な関係を築いていたようですね。オビ=ワンが、アナキンを諭す場面での二人の会話が良かったです。だからこそ、その後に訪れるシーンがより残酷に映りました。

 ストーリーの一番の見所は、アナキンがダークサイドに墜ちるシーン・・・と思いきや、意外にあっさり墜ちてしまったという印他。でも、パドメと結婚し(というより彼女を愛し)執着した時点で、ダークサイドに墜ちるには充分の素質があり、墜ちるべくして墜ちたのだな・・・と一人で納得。

 ダース・ベイダー誕生の瞬間、オビ=ワンとアナキンの戦闘シーン、ヨーダとチューバッカの意外な接点等、シーンの一つ一つが大いに楽しめ、また映画館での鑑賞が充分に堪能できる映像作品でした。(オビ=ワンの「選ばれし者だったのに!」も観たし)是非6作通して改めて観たいと思います。

ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。


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2005年07月31日

■鋼の錬金術師 -シャンバラを征く者-

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 二つの世界に引き裂かれたエルリック兄弟は、それぞれ再会を願って手段を探し求めていた。エドが飛ばされてしまった先は、西暦1923年・・・動乱の予感をはらんだミュンヘン。得意の錬金術を封じられたエドは、弟の面影をもつアルフォンス・ハイデリヒの力を借りて、科学技術の粋・ロケット工学の力で故郷へ帰ろうと試みていた。だが、なかなか手がかりは得られず、エドは焦燥をつのらせる・・・。

 2003年から2004年にかけてTV放映され、大人気を博したアニメの映画化。エドとアル、二つの世界に引き裂かれた兄弟のその後を描く。 

 さて今作は、“現実世界”と“錬金術世界”二つの世界が交錯しながら物語は進んでいきます。現実世界で、理想郷“シャンバラ”を求める者たちの不穏な動きや陰謀が、錬金術世界へと干渉を及ぼします。それは錬金術世界の危機を意味し、それを知ったエドとアルが立ち向かっていくのです。

 まず、観た印象は絵が綺麗なこと。ふとした表情にも原作の「鋼らしさ」が出ていて、TVシリーズ同様のクオリティだと思いました。ただ、ストーリーの方は完全オリジナル版という事が影響しているのか、多少の違和感を覚えました。というのも、「扉」の存在と、鋼ワールドを語る上で重要な要素である「等価交換の原則」の定義が崩れてしまっているように感じたからです。そして、エドとアルが最後に重大な決断をするのですが、今までの兄弟から考えると、今回選択した決断が不思議に思えてしまいました。彼らとその周囲の人間に流れた二年間が影響を与えているのであれば、二年の過ごし方に興味があるところです。

 作品に共通する、“兄弟の絆”は変わらず根底に流れています。描かれているテーマや世界観は、充分に大人の鑑賞にも耐え得る作品でした。

 (マスタング大佐は相変わらずカッコいい!!のですが、出番が少なかったのが残念でした・・・。ホークアイ中尉との会話や軍の面々も好きなのですが。)

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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posted by ルーピーQ at 23:58| 千葉 ☁| Comment(9) | TrackBack(24) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月29日

■姑獲鳥の夏

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 昭和27年夏、東京。小説家の関口(永瀬正敏)は、生活のために請け負った雑文のため怪しげな噂を追っていた。ある大病院の娘・梗子が、20ヶ月も妊娠しているのに産気づかないというのだ。その上、彼女の夫も1年半前に姿を消し、行方不明のままだという。関口は何かにつけ頼っている友人の京極堂(堤真一)に意見を求める。博学な古本屋店主である彼の助言にしたがい、関口は同じく友人の探偵・榎木津(阿部寛)に相談することに。そこで関口は、梗子の姉で失踪した義弟の捜索依頼に来ていた涼子と出会う・・・。

 京極夏彦の同名小説の映画化。古本屋の店主、神社の神主、拝み屋という三つの顔を持つ男、「京極堂」こと中禅寺秋彦が、久遠寺家にまつわる謎を“憑物落とし”という独自のスタイルで解き明かしていくミステリー。

 20ヶ月も妊娠している妻に、1年半前に失踪した夫。元看護婦の死に、病院から消えた新生児。謎が謎を呼んでいき、すべては久遠寺家へと収束していく。しかしその過程は詰め込み過ぎの感があり、人物の相関関係だけで手一杯になっている印象だ。

 演出にも疑問が残る。フラッシュを多用した場面が多いが、画面に酔ってしまいそうになった。関口の幻覚“姑獲鳥”を繰り返し挿入することの効果は薄く思え、却って作品の持つ妖しの雰囲気を損ねているように感じた。

 長編であり、且つ独特の世界観である京極作品を纏めた点には感嘆する。京極堂や眩暈坂、久遠寺医院など巧く作品の雰囲気に合った作りであった。また、関口の不安定な精神状態を永瀬正敏は良く表せていたし、堤真一も能弁家の京極堂を良く演じていた。原作者である京極夏彦の出演は、ファンには嬉しい遊び心といったところだろう。

ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。


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posted by ルーピーQ at 01:05| 千葉 ☀| Comment(12) | TrackBack(49) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月07日

■宇宙戦争

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 異変は、アメリカ東部の町に起こった。立ちこめる暗雲から稲妻がほとばしり、落雷地点が脈打つように震動する。直後、人々の眼に信じがたい光景が映った。地中深くから巨大な三本の足を持つ“物体”が姿を現し、人間を手当たり次第に抹殺し始めたのだ。一部始終を目撃した港湾労働者のレイ(トム・クルーズ)は、別れた妻から預かった息子ロビー(ジャスティン・チャットウィン)と、娘レイチェル(ダコタ・ファニング)を連れて町を脱出。安全な場所を探して車を走らせるが、“物体”は世界続地に同時多発的に出現していた・・・。

 H.G.ウェルズの原作である、古典SF小説を映画化した作品。

 この作品は、トム・クルーズのヒロイックな活躍を期待して観賞すると肩透かしを食う。今回のトムは、突如として多略に現れた地球外生物、すなわち異星人からなす術もなく逃げ惑う、ただの無力な人間の内の一人だからだ。

 今作は、人間が災害に襲われた時の心理や状態がリアルに描かれている。「自分と家族だけが助かれば良い」といった誰もが持つかもしれない心理である。人間の力ではどうにもできないような事態に陥った時の、人々の醜さの描写が自身に置き換えてみると、よりリアリティを持って心に痛く映る。

 とりわけて圧巻なのは、やはり映像だろう。物語の導入部、アスファルトに亀裂が走り、多略者が操る“トライポッド”の襲撃に晒されるシーンや、その後に訪れる異星人の探索から逃げ惑うシーンなど、作品には終始緊張感が漂い、観ていて飽きることはない。

 ただ、親子の描き方に物足りなさが残る。父親としての復権や家族愛といったテーマを、もう少し作中に盛り込んでも良かったのではないかと思う。得体の知れない敵への恐怖は過不足なく描かれていて、パニック・ムービーとしては申し分のない出来であった。

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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2005年07月05日

■ダニー・ザ・ドッグ

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 5歳の時に誘拐され、闘犬として育てられたダニー(ジェット・リー)は、高利貸しのバートに連れられ、取り立てと闘いに明け暮れていた。首輪を付けられ、感情さえも忘れていたダニーは、ある日、事故で視力を失ったピアノ調律師、サム(モーガン・フリーマン)と出会う。数日後、バートとダニーが乗る車にトレーラーが突っ込み、なんとか車を這い出したダニーは、サムの元へ辿りつく。回復したダニーは、サムと、サムの娘ヴィクトリアの元、次第に人間らしさを取り戻していくのだが・・・。

 ただひたすら“飼い主”に忠実に従い、言われるがままに敵を叩き潰していくダニー。アクション・シーンにまず目を奪われる。無駄のないスピーディなストーリー展開は、そのまま見所であるアクション・シーンの迫力にもつながっている。

 普段は首輪を付けられているダニーは、頼りなげな表情を浮かべて、オドオドとしている子供のようである。しかし、ひとたび首輪を外されると闘犬と化し、無慈悲に“飼い主”の命令を遂行していくそのギャップを、ジェット・リーがうまく演じ分けていた。

 ダニーが次第に人間らしい感情を取り戻していく過程では、ピアノが効果的に使われている。モーガン・フリーマンが、自ら設定を付け足した「盲目」のピアニストを好演し、父親が子供に教え諭すようにダニーに接する姿がやさしく描かれている。

 孤独な男が居場所を見つけ、家族や家庭の暖かさを知るまでの道筋が、圧倒的な暴力とピアノの旋律の狭間に映し出される。ラスト近くのサムとヴィクトリアを守るため、彼らを隠すシーンで見せるダニーの表情は秀逸だ。アクション映画としても人間ドラマとしても、充分に楽しめる作品だった。 

ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。


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posted by ルーピーQ at 10:40| 千葉 ☔| Comment(42) | TrackBack(92) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月03日

■サハラ -死の砂漠を脱出せよ-

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 冒険家、ダーク・ピット(マシュー・マコノヒー)は、ナイジェリアとマリ共和国の間で発見された一枚の金貨に魅せられる。それは、南北戦争で忽然と姿を消した甲鉄艦の存在を示す存。ボスのサンデッカー提督を説得し、早速マリへと出発を決めるピットに、思わぬ同行者が現れた。疫病の感染源を調査しているWHOの医師、エヴァ(ペネロペ・クルス)だ。ピットはマリの村でエヴァと別れるが、何者かがエヴァの命を狙っていることを知り、後を追跡する・・・。

 クライブ・カッスラー原作「ダーク・ピット」シリーズより、11作目「死の砂漠を脱出せよ」の映画化。

 伝説の甲鉄艦の行方と、広がりつつある伝染病の感染源、二つの謎を軸に物語は進んでいく。タフなヒーローが繰り広げる派手な銃撃戦や爆発シーン、ヒロインとのロマンス等が盛りだくさんに詰め込まれている。しかし詰め込み過ぎた感もあり、ややストーリーの強引さが目立った。もう少しすっきり纏めた方が、ストーリーに入り込めたかもしれない。

 ピットと、その相棒アル(スティーヴ・ザーン)との息の合ったアクション・シーンや会話は見所だろう。シリーズものが原作とあって、二人の信頼関係が窺える描き方をされている。良くも悪くも、アドベンチャー・ムービーの醍醐味たっぷりの作品だった。

ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。


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posted by ルーピーQ at 00:33| 千葉 ☁| Comment(7) | TrackBack(45) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月20日

■ホステージ

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 敏腕人質交渉人のジェフ・タリー(ブルース・ウィリス)。彼は、ある立てこもり事件に失敗するまで一度も失敗をしたことのない優秀なロスの警官だったが、その事件の失敗により、心に深い傷を負い、ロスを去り、小さな町の警察署長となった。平穏な町での生活を選んだ彼に、突如として、犯罪の魔の手が忍び寄る・・・。

 トラウマを負って一線を退いた交渉人が、再び二つの人質事件に立ち向かう姿を描くサスペンス・アクション。

 オープニング・クレジットから、事件へと続いていく演出が巧く、スタイリッシュで思わず見入ってしまう。トラウマの原因となる事件での交渉シーンの緊張感はなかなかのものだ。

 ただ、二つ目の事件の発生がやや強引である。“家族の絆”と“交渉人としての自己”を取り戻すという展開上、やむを得ないにしても、必然性が乏しく感じられる。また、“難航不落”と謳われている邸宅がその機能を発揮していない。そのために、冒頭の事件に感じたような緊迫感が失われていたように思う。

 設定としてはありがちでご都合主義な感もあるものの、二つの人質事件が同時進行でスピーディに進行していくために、飽きることなく物語に入り込める。ブルース・ウィリスの真骨頂といえる作品である。  


ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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posted by ルーピーQ at 00:07| 千葉 ☁| Comment(17) | TrackBack(58) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月17日

■炎のメモリアル

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 新米消防士のジョン(ホアキン・フェニックス)は、先輩からの強烈な“洗礼”を受け、ボルティモア消防署に温かく迎え入れられる。消火活動にあたるポンプ隊に配属されたジョンは、まもなく署長のマイク(ジョン・トラボルタ)の指導の元、初出動を向かえる。使命感に燃え、誇りをもって仕事に打ち込むジョンは、やがて街で一目ボレした女性を妻に向かえ、私生活でも順風満帆。しかし、消防士の仕事には辛い出来事も待ち受けていた・・・。

 物語は、ジョンが消防士として成長していく過程や、仲間との信頼関係が築かれる過程などがテンポ良く挿入されていく。現場に出動し、消火活動を行う頼もしい姿とは対照的に、消防署内で描かれる仲間たちとのエピソードはユーモアに溢れ、思わず微笑んでしまうものばかりだ。また、消防士たちの活躍だけだはなく、その日常や恐怖と葛藤、家族の苦悩などを同時に描くことで、それぞれの登場人物がリアリティを持ったものとなった。

 99%の炎が実際の現場で撮影していることにより、デジタルの炎では出せない本物の火災現場の緊張感が画面を通して伝わってくる。製作者のこだわりに消防士に対する敬意が感じられた。ありきたりな展開ではあるものの、消防士の情熱や信念によって人々は火災から救われるのだということを改めて認識することの出来る作品だった。「名もなきヒーロー」たちの姿を描いた秀作である。

ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。


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posted by ルーピーQ at 02:50| 千葉 🌁| Comment(28) | TrackBack(49) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月31日

■キングダム・オブ・ヘブン

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 12世紀のフランス。妻子を亡くし失意のどん底にある鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)の元に、十字軍の騎士・ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)が訪れて、自分が父親だと告げる。バリアンは父に従い、聖地エルサレムへと旅立つ。当時、聡明なキリスト教徒の王ボードワン(エドワード・ノートン)と、回教徒のカリスマ的指導者サラディン(ハッサン・マスード)によって束の間の平和が保たれていたエルサレムだったが、権力の座を狙う一派の卑劣な振る舞いにより危機が迫っていた・・・。

 バリアンが騎士として成長する姿を通し、騎士道精神や、キングダム・オブ・ヘブン(天国の王国)とは何か、その在るべき姿を説いていく。

 贖罪のために、聖地エルサレムへと向かうバリアン。しかし、その葛藤や心情の描写が希薄に感じられる。その為に、運命を享受し、騎士として戦いに身を投じていく姿に淡々とした印象を受け、バリアンに共感を覚えることが難しい。

 “恐れず敵に立ち向かえ” “勇気を示せ” “死を恐れず、真実を語れ” “弱きを守り、正義に生きよ” バリアンがこれを実践し、エルサレムの城壁で繰り広げる攻防戦は見応えがある。バリアンが騎士として成長する過程や心情を深く掘り下げて描けていれば、このシーンはより厚みを持ったものとなっただろう。

 現在も続く宗教問題に対し、製作者側のメッセージは感じることが出来る。リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズ、ハッサン・マスードら脇を固めた俳優陣の存在感が作品を支えていた。

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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posted by ルーピーQ at 15:44| 千葉 ☔| Comment(21) | TrackBack(46) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月29日

■コンスタンティン

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 悪魔を見分ける特殊能力を持ったジョン・コンスタンティン(キアヌ・リーブス)は、人間界に潜む悪魔を地獄へ送り返し続けている。その体は末期ガンに冒され、余命は1年。悪魔祓いの最中、不穏な空気を感じたジョンは、地上を成立させている、天国と地獄の均衡が崩れかけていることを知る。同じ頃、妹の自殺に不審を抱く女刑事アンジェラ(レイチェル・ワイズ)が、ジョンに協力を頼んできた。妹、イザベルの手首には、サタンの子ルシファーの印が刻まれていた・・・。

 死後の天国行きため、天国と地獄のバランスを保つべく、エクソシストとして悪魔祓いを続けるジョン・コンスタンティンの姿を描く。

 “天国と地獄”その狭間である人間界で跋扈する“ハーフ・ブリード”を駆逐する事、それがコンスタンティンの役目である。キリスト教を背景とした特殊な状況設定だが、世界観が確立し状況説明がテンポ良く進むために、キリスト教に精通せずとも作品に入り込む事が出来る。異世界を舞台とした設定だが、エンターテイメントとして十分に成り立っているだろう。

 また、主人公のキャラクター設定が面白い。コンスタンティンは、余命一年の肺がんと宣告されてもタバコを手放さず、悪魔祓いを行うのも、決定している地獄行きを免れるためという自分本位の男である。やさぐれた男を主人公に据える事で、「マトリックス」のイメージが強かったキアヌ・リーブスが、新たなアンチ・ヒーローを作り上げる事に成功している。

 驚かすための音響に興ざめる部分もあるものの、スピーディな展開は最後まで飽きさせる事がなく、単純に楽しむ事ができる作品だった。また、エンド・ロール後の映像に今後の期待を抱かせた。

ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。


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posted by ルーピーQ at 01:30| 千葉 ☀| Comment(44) | TrackBack(62) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月15日

■交渉人 真下正義

真燕。正義.bmp
 
 レインボーブリッジを封鎖して解決した「台場連続殺人事件」。その事件直後、真下正義警視(ユースケ・サンタマリア)は湾岸署の前で報道陣に取り囲まれ、警視庁初の交渉人として、事件解決の経過を説明していた。1年後、2004年12月24日。警視庁交渉課準備室課長の真下は、雪乃(水野美紀)とクリスマス・イブのデートの約束をしていた。しかしその日の午後、突然、室井管理官(柳葉敏郎)から呼び出しを受ける。警視庁史上、最悪の緊急事態が発生。東京の地下鉄の最新鋭実験車両(通称クモ)が何者かに乗っ取られたのだった・・・。

 「踊る大捜査線」スピンオフ・ムービー企画第一弾。“交渉人”真下と、犯人との息詰まる知能戦を描いていく。

 すでに、核となる事件が物語の冒頭から始まっている。概要を簡潔に説明しつつも、スピード感の溢れる展開で画面に釘付けになる。また、緊迫する状況の中にも笑いがあり、シリーズの特徴ともいえる緊張と緩和のバランスが絶妙だ。

 今回は新キャラクターが登場する。真下をサポートする木島(寺島進)である。口は悪いが気のいい木島のキャラクターは今までのシリーズにはなく、飄々とした真下の相棒として、その役割を十分に果たしている。そして、TTRの総合指令長、片岡(國村隼)や線引き屋、熊沢(金田龍之介)らの存在も、作品を引き締めながらそれぞれドラマを見せてくれた。

 今まで三枚目的な役割の真下が、今回は見事にシリアスに転じている。特に、最後の犯人との攻防の末に見せた真下の表情は印象的だ。“真下正義”というキャラクターの幅と共に、作品の持つ力を感じることができ、「青島(織田裕二)の存在なしで作品が成り立つのか」という不安を見事に消してくれた。

 「踊る大捜査線」の醍醐味を味わいつつも、シリーズとは一線を画した極上のエンターテイメントに仕上がっている。8月に公開される「容疑者 室井慎次」も期待十分である。


ルーピーQ的評価・・・★★★★☆四つ星です。
 

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posted by ルーピーQ at 01:20| 千葉 ☁| Comment(80) | TrackBack(156) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月09日

■甘い人生

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 ソウルを一望できる優雅なスカイラウンジ。ここはソヌ(イ・ビョンホン)の城だ。7年かかってホテルの総マネージャーであるこの地位まで昇りつめた。冷酷なほどに頭の切れる男ソヌは、表にも裏にも通るその手腕により、裏社会にも絶大な力を持つボスの信頼と寵愛を一身に受けていた。 ホテルの社長であり、ソヌのボスでもあるカン(キム・ヨンチョル)は、裏社会を牛耳る冷酷無比な男で、ある秘密を抱えていた。若い愛人ヒス(シン・ミナ)のことだ。カンはヒスに他の男がいるのではないかという考えに苛まされており、ソヌは彼女の監損を命じられるが・・・。

 イ・ビョンホン自ら代表作と語るこの作品は、クールでストイックな主人公の一瞬の判断の狂いから生じる非情な運命を描いていく。

 導入部から主人公ソヌの性質と、社長のカンとの関係を表すエピソードが無駄なく挿入され、物語はスピーディに展開されていく。中でも、ソヌが無表情で「厄介な客」を排除する際のアクション・シーンは秀逸で、その後のソヌと対比する上でも見逃せないエピソードとなっている。

 だが、ソヌがヒスに惹かれていく過程の描き方が不充分に感じられた。その為、彼女のための選択を決断したソヌの心情にいまいち感情移入し難い。もう少し時間を割いてエピソードを入れたほうが、より一層ソヌの行動に説得力を持たせる事が出来たかもしれない。

 たった一度、「心が揺れた」為に運命の歯車が狂っていく様子が淡々と描かれ、それでも抗いながら戦う姿に「男の美学」を見る事ができる。クールなソヌが次第に感情を露わにしていく過程を、イ・ビョンホンが上手く演じていた。

ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。 


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posted by ルーピーQ at 00:14| 千葉 ☁| Comment(26) | TrackBack(48) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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