2005年03月28日

■インファナル・アフェアU ー無間序曲-

イン.bmpファイナル.bmp

 1991年、香港マフィアのボス、クワンが暗殺された。離反を目論む手下たちは、跡を継いだハウに抑えられるが、ひとり時期を待っていたサムは、ラウ(エディソン・チャン)を警察へ潜入させる。一方警察学校では、ウォン警部が、クワンの私生児と判明して退学になったヤン(ショーン・ユー)を、ハウの組織へ潜入させた。4年が過ぎ、組織の拡大とクワン殺害の復讐に燃えるハウは、不穏な手下を一掃し、サムも、出張先のタイで襲われ消息を絶つ。そして、香港返還の年がやってきた・・・。

 『インファナル・アフェア』三部作中の二作目は、物語の「その後」ではなく「その前」を描いていて、前作で語られなかった登場人物達の過去が明らかになる。 ラウのボスであるサムと、ヤンの上司であるウォン警部との関係や、ヤンの素性などが前作を補完しながら進み、警察と組織との攻防や、組織の内紛が前作と同様のスピード感で描かれる。

 今回はウォン警視が主役と言ってもいいだろう。前作では、主要人物の中で良心的に思われた彼もまた「無間道」に足を踏み入れていた人間だったのだ。複雑に絡み合う因縁の中で生きなければならない男の苦悩を、アンソニー・ウォンがベテランらしい演技で見せている。

 強いて言えば、前作で若き日のラウとヤンを演じたエディソン・チャンとショーン・ユーが今作でも引き継いでいるが、アンディ・ラウとトニー・レオンほどの存在感はなく、また前作ほどの緊張感が得られなかった点が残念だった。しかし、シーンの一つ一つに張り巡らせた伏線や、一瞬も気を抜かせない脚本と演出は見事だったと思う。

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。

posted by ルーピーQ at 00:10| 千葉 | Comment(24) | TrackBack(27) | ■映画レビュー -DVD観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月25日

■インファナル・アフェア

アンディ.bmpトニー.bmp

 1991年、ストリート育ちの青年ラウは香港マフィアに入ってすぐ、その優秀さに目を付けたボスによって警察学校に送り込まれる。一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは突然退学となる。彼は、警視に能力を見込まれマフィアへの潜入を命じられたのだった。やがて2人の青年は、それぞれの組織で台頭していく。そして10年後、警察はヤンから大きな麻薬取引の情報を受け取る。しかし警察の包囲網はラウによってマフィア側に筒抜けとなっていた。検挙も取引も失敗に終わったことで、警察、マフィア双方がスパイの存在に気づいてしまうのだった・・・。
 
 アンディ・ラウ、トニー・レオン香港二大スター共演による「インファナル・アフェア」三部作の一作目となるこの作品だが、まず、短時間の内に凝縮された濃厚なドラマに圧倒される。マフィアでありながらも警察に所属するラウと、警官でありながらもマフィアに所属するヤン。自分が何者なのかも判らなくなるくらいの長い潜入期間に、葛藤しながらも「善人でありたい」という信念だけで踏みとどまるヤンをトニーレオンが見事に演じている。

 物語は、警察、マフィアそれぞれがスパイの存在を暴こうとする過程が息を吐かせぬスリリングな展開で進んでいき、複雑に張り巡らされた伏線や心理戦に非常に見応えを感じた。ラウとヤン、因縁により出会った二人が互いにより追いつめられていく姿が、もの悲しくて痛々しい。
 
 絶え間無く続く「無間地獄」足を踏み入れてしまったが故に、抜け出す事の出来ない者達の絶望や焦燥が息苦しい程に描かれている。続編に期待が抱ける稀有な作品であった。

ルーピーQ的評価・・・★★★★☆四つ星です。

posted by ルーピーQ at 18:26| 千葉 ☀| Comment(5) | TrackBack(17) | ■映画レビュー -DVD観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月21日

■キング・アーサー

アーサー.bmpキング.bmp

 ローマ帝国の栄華に陰りが見え始めた時代。ローマのために数々の武勲を立ててきたアーサーと円卓の騎士たちは、15年間の兵役を終え、それぞれの故郷に帰ろうとしていた。だが教皇の権威を振りかざす司教は、彼らの兵役解除と引き替えに、ブリテンに住むローマ人貴族を救出せよという予定外の任務を命じる。ブリテン地方は、森に潜むゲリラ軍ウォード、新たな侵略者サクソンの三つ巴の戦乱にさらされた危険な地域だった。それでもアーサーと騎士たちは、今度こそ自由を得られると信じて最後の任務へ出発してゆく・・・。

 アーサーと円卓の騎士達の描き方に物足りなさを感じた。騎士達が「ローマの為」に戦うのではなく、「アーサーの為」戦うと決意する過程や彼らの絆を丁寧に描いて欲しかった。また、アーサーが最強の騎士達を率いる指揮官としての魅力に少々欠ける、その点が残念だった。
 
 しかしアーサーが信じる「人は皆、自由であり平等」という理想がローマにはないと知り、苦悩の末「真の自由」を手にする為に、更なる戦いに身を投じる姿は心を動かされるものがある。氷上での決戦や サクソン人との砦での戦いなど見所もあり飽きさせない作りとなっていて、二度目の観賞となった今回だが前回よりも愉しむ事ができた。史劇エンターテイメントとしての出来はなかなかだと思う。


ルーピーQ的評価・・・★★★・☆3つ星半です。



posted by ルーピーQ at 22:05| 千葉 | Comment(4) | TrackBack(8) | ■映画レビュー -DVD観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月20日

■アラモ

アラモ.bmp

 1836年、メキシコからの独立を目指すテキサス義勇軍が、アラモ砦を占拠した。若き司令官トラヴィスは、義勇兵のリーダー、ジム・ボウイと対立しながら、砦を守る任務に就く。テネシーからは伝説の英雄クロケットが加わり士気が高まるが、数千というメキシコ軍の前に兵力の差は一目瞭然だった。テキサス州議会のヒューストン将軍は、仲間の危機を知りつつ、兵力の足りない軍を動かすことをよしとせず、冷静な命令を下す。13日目、夜明けの暗闇の中、メキシコ軍が静かに砦に近づいていた・・・。

 予備知識なく映画に臨むと戦いにある背景が解り難い。アメリカでは「知っていて当然」の史実でも、あまり日本には馴染みのない話だろう。その辺りの説明がもう少し欲しい。

 ストーリーは「史実に忠実」と言うだけあり、淡々と進んでいく。単なる英雄譚としての映画ではなく、登場人物たちそれぞれの苦悩を描いている点は評価できるものの、娯楽性を排除した作りに物足りなさを感じたというのも正直な感想だ。トラヴィス、またはクロケットの視点でストーリーを展開しても良かったと思う。

 クロケットが「伝説の英雄」であるが故、他者の自身に対するイメージとのギャップに悩みながらも、最後まで英雄で在り続けるラストが印象的だった。

ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。

posted by ルーピーQ at 22:15| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(0) | ■映画レビュー -DVD観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月07日

■クリムゾンリバー2−黙示録の天使たち-

 人里離れた修道院で、壁に穿たれたキリスト像が血を流すという怪奇事件が起こる。捜査に当たったニーマンス警視は、キリスト像の背後の壁に死体を発見、身元確認を進める。同じ頃、麻薬捜査に就く若手刑事レダの前に、キリストに似た謎の男が現れる。男は銃弾を受け、恐慌状態にあった。翌日、レダは男の病室で黒マント姿の不審な僧侶を目撃。そしてニーマンスの捜査線上にキリストに似た男との接点が浮かび上がる…。

 ジャン・レノ主演のシリーズ第二弾。ニーマンス警視が宗教に絡んだ猟奇殺人を追う。今回は、リュック・ベッソンが脚本を手掛けた。
 
 最近、よく宗教を扱った作品を観るが、この作品についてはあえて黙示録になぞらえて殺人を犯す必然を感じず、またどこかで見たような設定で筋の粗さが目立った。
 
 しかし、レダと黒装束の僧侶との追走劇や、テンポの良い展開などで飽きさせる事はない。全体的に画面が暗い事も事件の陰惨さが表われている。 謎解きが主軸ではない分、いい意味で単純な作りになっていた。

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆3つ星です。

posted by ルーピーQ at 23:05| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(4) | ■映画レビュー -DVD観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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