■ベルベット・レイン

　香港黒社会の大ボスのホン（アンディ・ラウ）の暗殺計画が噂され、配下の三人のボスはお互いの腹をさぐり合っていた。冷酷無慈悲なホンの兄弟分・レフティ（ジャッキー・チュン）が跡を継げば、多くの血が流されることは明らかだった。一方、黒社会でのし上がろうとする若者・イック(ショーン・ユー)は相棒のターボ(エディソン・チャン)に誘われ、くじ引きで暗殺者を決める会場のディスコへと向かう。見事くじを引き当てたイックは、夜の町へと飛び出していくが・・・。

　「ベルベット・レイン」の原題である「江湖」。もとは大きな河や湖、また世を捨てた人の住む場所の例えで、現在ではもっぱら任侠、黒社会の意味で使われている。この作品では、香港黒社会の大物・ホンとレフティ、成功を夢見ている若者・イックとターボ、物語は対照的な二組の“運命の一夜”が平行して描かれていく。

　香港黒社会を描いた作品で頭に浮かぶのは「インファナル・アフェア」シリーズだが、今作の「ベルベット・レイン」では、前出の作品の主要人物だったアンディ・ラウ、エリック・ツァン、ショーン・ユー、エディソン・チャンといった面々が出演している。「インファナル〜」色が濃いのは否めず、比べられてしまうのがこの作品にとってマイナス要因に感じる。

　ストーリーは、ホンとレフティ、イックとターボの様子が平行して描かれるため、散漫な印象を受け、場面転換が分かり難い。しかし、ラストに二つの物語が交錯する時に用意されたある“仕掛け”によって、全てが収束していく構成は見事で、これにより作品が救われた。

　ホンとレフティが巨大テーブルで向かい合うシーンは、二人の軋轢や現状の距離感を表しているようで印象的。このシーンのアンディ・ラウ、ジャッキー・チュンの駆け引きは見応えがあり、それぞれのキャラクターの魅力は若手二人を凌駕し、その存在感を示していた。


ルーピーＱ的評価・・・★★・☆☆二つ星半です。　

　

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Comments

こんばんは！いつもありがとうございます！
ほんと、最後のオチで、救われたと思います。
特にあたしは、こういうジャンル、弱いんで、、、

Posted by 猫姫少佐現品限り at 2006年03月15日 03:42

TBありがとうございました。
いいにつけ、悪いにつけ、「インファナル・アフェア」の成功がなければ、作れなかった映画だろうと思いましたが、香港映画界の使えるものは何でも使う。活かすものはとことん活かすというエネルギーも感じました。

Posted by sakurai at 2006年03月15日 08:04

TBありがとうございます。

　インファナル・アフェアがあって、注目を集めてるかと思うのですが私はどちらかと言うとこちらではなく韓国映画の『甘い人生』を思い浮かべました。

　どちらにしても私はこういうジャンル、こういう映画に出演者に非常に弱いので…かなりツボにはまりました。

Posted by ｍａｈｉｔｏ at 2006年03月15日 08:32

こんにちは〜♪
TBありがとうございます。
あまりにインファナルと被ってましたね〜。
狙ったのか外したのかわかりません（汗）
ある｢仕掛け」は薄々分かるようになっていましたよね。
こういう仕掛けのある映画は好きです。
インファナルという山は高すぎて、もうあれを越すものはでないような気がしますね。

Posted by ミチ at 2006年03月15日 10:16

　ＴＢありがとうございますm(_ _)m

　インファナルと比べると起伏のなさが
物足りなく感じてしまう点はありました
よね。最後の最後シーンでの、面会シー
ンはなかなか面白かったですが。

「インファナル・デイズ」もチェックし
たら感想ＵＰしますね♪

Posted by たましょく at 2006年03月15日 11:01

-----■コメント感謝です♪■-----

・猫姫さま、こんにちは☆

こちらこそいつも有難うございます！
最後のオチで、納得できました。
こういうタイプの映画は好きなんですが、つい「インファナル〜」と比べてしまって…。＾＾：


・sakuraiさま、コメント有難うございます！

そうですね。「インファナル〜」の成功が大きな影響を及ぼしているのだと思います。
だからこそ、キャストは変えたほうが良いのでは…と思いました。＾＾：


・ｍａｈｉｔｏ様、コメント有難うございます！

「甘い人生」のテイストも入っているかもしれませんね。＾＾
自分もノワールものって大好きなんです。
アンディ・ラウ格好よかったなぁ〜ってだけで満足だったり（笑）


・ミチさま、こんにちは☆

コメント有難うございます！
ノワールもので、「インファナル〜」を超えるのは至難の業ですよね。
この作品は、系統としてはいいと思うんですが、キャストが被りすぎなのが余計比べてしまう要因になっているような気がします。＾＾：
こういう仕掛けは大好きなんで、ちょっと残念です。


・たましょく様、コメント有難うございます！

「インファナル〜」に思い入れが強すぎるので、キャストも被っている々系統の映画だと期待し過ぎてしまいます（汗）
「インファナル・デイズ」私も気になっている作品です。
たましょくさんの感想楽しみにしていますね。＾＾

Posted by ルーピーＱ at 2006年03月15日 12:31

ルーピーＱさん、こんにちは！
ＴＢ＆コメント、ありがとうございました（＾＾）嬉しいです♪
確かに、キャストは変えて欲しかった気もしました。
特に、若手。ラストが、あんな風だからよけい・・・。
ダニエル・ウーとかでも良かったのに・・・(単に、私が好きなだけですが。）
でも、ショーンはこの作品を観て、初めてカッコいいと思いました。
こちらからもＴＢさせて下さいね！

Posted by 空 at 2006年03月15日 15:46

ルーピーＱさん、ＴＢ＆コメントありがとうございました！
さすがに香港映画に甘々の私も途中の展開の遅さには少々イラッとしました。（笑）
リン・ユアン（林苑）の唄う曲と彼女のしゃべる声の心地よさに惚れた作品でした。

Posted by sabunori at 2006年03月15日 16:11

初めまして。
TBありがとうございました。
私は最初から『いますぐ抱きしめたい』を思い出しながら見てました。
すっかり大人になったアンディ・ラウとジャッキー・チュンがかっこいい。

『インファナル・ディズ』はべたべたのコメディです。合わない人もいるかも。

Posted by にこ at 2006年03月15日 20:33

-----■コメント感謝です♪■-----

・空さま、今晩は☆

コメント有難うございます！こちらこそ嬉しいです♪
「インファナル〜」と被っているので余計混乱してしまって。＾＾：
せめてキャストは変えて欲しかったなぁ〜。
ショーンは格好良かったですね♪
これからが楽しみです。＾＾


・sabunoriさま、コメント有難うございます！

私も途中でイラっとしましたよ〜（笑）
音楽も印象的でしたね。
やっぱりノワールものは香港に限る！と思います。


・にこ様、初めまして！

コメント有難うございます！
「いますぐ抱きしめたい」は残念ながら未見なんですが（汗）
アンディとジャッキーは、確か「いますぐ〜」以来の共演なんですよね？
今作は大人の魅力で格好いいですよね♪
「インファナル・デイズ」コメディなんですか！
想像つかないです〜。＾＾：

Posted by ﾙｰﾋﾟｰＱ at 2006年03月16日 23:35