1933年ニューヨーク。野心家の映画監督カール・デナム(ジャック・ブラック)は、かつてない冒険映画を撮りたいという野望を持っていたが、撮影中の映画が製作中止になりかけていた。しかしカールは撮影の強行を決意し、幻の島を求めて脚本家のジャック(エイドリアン・ブロディ)と美しい新人女優アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)を誘い、撮影クルーとともに航海に乗り出す・・・。
1933年に公開された「キング・コング」のリメイク作品である今作は、オリジナル作品を観て監督を志したというピーター・ジャクソン監督の手にによるもの。前半では映画監督であるカールが、運命の女性アンや脚本家のジャックらとスカル・アイランドの辿り着くまでを描き、後半では島に生息する未知の生物との戦いやコングとアンの交流等を描いていく。
「上映時間が長い」。これがまずこの作品に対する第一印象だ。ただ、この「長さ」を感じさせないくらいに、物語に入り込んでいける。特にスカル・アイランドに到着してからは目まぐるしく展開し、中でも恐竜から逃げ惑うシーンでは、時折笑いを織り交ぜつつも迫力ある映像で魅せてくれる。また、コングがアンを守るために数頭の恐竜を相手にする戦闘シーンは、観ていて思わず体が動いてしまうくらいの臨場感がある。
難をいえば、ジャックとアンの関係性を表すエピソードが少ないことだ。この辺りの描写に時間を割いていれば、ジャックが攫われたアンを助ける為に危険を冒す行動にもう少し説得力を持たせることが出来たのではないだろうか。そして、前半と後半で別々の物語を作れそうなくらいに長い上映時間・・・。カールが幻の島に辿り着くまでに紆余曲折を簡潔にし、ニューヨークでのコングの描写に時間をかけて欲しかったところだ。
しかしコングの躍動感溢れる動き、そして感情を訴えかけるような瞳の動きは必見であり、スカル・アイランドという未開の地の風景や、コングとアンが見た夕焼けの美しさは見事の一言に尽きる。これらの映像は映画館で観るに相応しく、娯楽作品として申し分のない出来だった。
ルーピーQ的評価・・・★★★★☆四つ星です。
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