
近未来の巨大施設。毎日規則的な生活を続ける入居者たちの中に、リンカーン(ユアン・マクレガー)とジョーダン(スカーレット・ヨハンソン)もいた。地球は汚染されており、生き延びることのできた彼らは施設で守られているのだと、みな信じていた。施設から出られる道はひとつ。唯一、汚染を逃れた「アイランド」へ移住すること。ある日、ジョーダンが「アイランド」行きの抽選に当たる。しかし、その頃、リンカーンは「アイランド」行きは死を意味するのだと知ってしまう。彼は、ジョーダンの手を取り施設を脱走する・・・。
単純明快で入り込みやすいストーリー、その中に内包するテーマは複雑である。クローンの人権や存在意義など、主人公にクローンを据えてその視点で話を進めることで、クローン人間を造る倫理上の問題や、それを望む人間の傲慢を浮き彫りにしている。クローン人間をまるで物のように扱い、ホストのニーズに合わせて生成売買する人間の姿は、現代社会が有する問題を喚起させ考えさせられる。
施設から逃亡するリンカーンとジョーダン。2019年の近未来という設定だが、作中の半分は占めているのが主人公二人のド派手な逃走シーンである。SFの要素よりもこちらの方が比重が重く、アクション映画さながらに展開される逃亡劇は迫力満点で観る者を飽きさせることはない。重厚なテーマを扱いながらもエンターテイメントとして充分に成立し、肩の凝らない作りになっている。
ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。
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