
湾岸戦争下のクウェートで偵察任務中の米軍大尉ベン・マルコ(デンゼル・ワシントン)の小隊が、敵の奇襲攻撃に遭う。部隊の危機を救ったのはレイモンド・ショー軍曹(リーヴ・シュレイバー)。終戦後、ショーは名誉勲章を授与され、政界へ進出。数年後には全米のニューリーダーとして、次期副大統領候補に指名されていた。一方、現在も軍務を続けるマルコのもとに、かつての部下メルヴィン(ジェフリー・ライト)が現れる。メルヴィンは、従軍中の記憶について毎晩おぞましい夢を見るという。実はマルコもメルヴィンと同じ悪夢に悩まされていた。その夢では、ショーが仲間の隊員を殺害しているのだった・・・。
リチャード・コンドンのベストセラーを映画化した、「影なき狙撃者」。その現代版としてアレンジ、映画化した作品。湾岸戦争下の“砂漠の嵐作戦”に関わった軍人が、国家を揺るがす陰謀に巻き込まれながらも、その謎を解き明かしていくサスペンス・スリラー。
戦争による軍人のトラウマ、大統領選の駆け引き、FBIによる非道とも取れる捜査法に情報操作など、扱っている題材は非常にデリケートであり硬派である。それと同時に扱っている、物語の核である“マインド・コントロール”。これが、今の科学技術であれば可能に思えるようなリアリティで描かれている。題材のリアリティが、作品の緊迫感を支えているのだろう。
ただ、題材のリアリティとは対照的に、暗躍する人間の動機や手口が荒唐無稽であるように感じる。主人公マルコの不安定な視点も相まって、どこか物語に入り込みきれない。
前述の「影なき狙撃者」。この作品は未見なのだが、傑作であるらしい。「クライシス・オブ・アメリカ」とはまた違った印象の作品なのだろう。見比べてみると、違いが分かり面白いかもしれない。
ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。
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