二つの世界に引き裂かれたエルリック兄弟は、それぞれ再会を願って手段を探し求めていた。エドが飛ばされてしまった先は、西暦1923年・・・動乱の予感をはらんだミュンヘン。得意の錬金術を封じられたエドは、弟の面影をもつアルフォンス・ハイデリヒの力を借りて、科学技術の粋・ロケット工学の力で故郷へ帰ろうと試みていた。だが、なかなか手がかりは得られず、エドは焦燥をつのらせる・・・。
2003年から2004年にかけてTV放映され、大人気を博したアニメの映画化。エドとアル、二つの世界に引き裂かれた兄弟のその後を描く。
さて今作は、“現実世界”と“錬金術世界”二つの世界が交錯しながら物語は進んでいきます。現実世界で、理想郷“シャンバラ”を求める者たちの不穏な動きや陰謀が、錬金術世界へと干渉を及ぼします。それは錬金術世界の危機を意味し、それを知ったエドとアルが立ち向かっていくのです。
まず、観た印象は絵が綺麗なこと。ふとした表情にも原作の「鋼らしさ」が出ていて、TVシリーズ同様のクオリティだと思いました。ただ、ストーリーの方は完全オリジナル版という事が影響しているのか、多少の違和感を覚えました。というのも、「扉」の存在と、鋼ワールドを語る上で重要な要素である「等価交換の原則」の定義が崩れてしまっているように感じたからです。そして、エドとアルが最後に重大な決断をするのですが、今までの兄弟から考えると、今回選択した決断が不思議に思えてしまいました。彼らとその周囲の人間に流れた二年間が影響を与えているのであれば、二年の過ごし方に興味があるところです。
作品に共通する、“兄弟の絆”は変わらず根底に流れています。描かれているテーマや世界観は、充分に大人の鑑賞にも耐え得る作品でした。
(マスタング大佐は相変わらずカッコいい!!のですが、出番が少なかったのが残念でした・・・。ホークアイ中尉との会話や軍の面々も好きなのですが。)
ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。
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