昭和27年夏、東京。小説家の関口(永瀬正敏)は、生活のために請け負った雑文のため怪しげな噂を追っていた。ある大病院の娘・梗子が、20ヶ月も妊娠しているのに産気づかないというのだ。その上、彼女の夫も1年半前に姿を消し、行方不明のままだという。関口は何かにつけ頼っている友人の京極堂(堤真一)に意見を求める。博学な古本屋店主である彼の助言にしたがい、関口は同じく友人の探偵・榎木津(阿部寛)に相談することに。そこで関口は、梗子の姉で失踪した義弟の捜索依頼に来ていた涼子と出会う・・・。
京極夏彦の同名小説の映画化。古本屋の店主、神社の神主、拝み屋という三つの顔を持つ男、「京極堂」こと中禅寺秋彦が、久遠寺家にまつわる謎を“憑物落とし”という独自のスタイルで解き明かしていくミステリー。
20ヶ月も妊娠している妻に、1年半前に失踪した夫。元看護婦の死に、病院から消えた新生児。謎が謎を呼んでいき、すべては久遠寺家へと収束していく。しかしその過程は詰め込み過ぎの感があり、人物の相関関係だけで手一杯になっている印象だ。
演出にも疑問が残る。フラッシュを多用した場面が多いが、画面に酔ってしまいそうになった。関口の幻覚“姑獲鳥”を繰り返し挿入することの効果は薄く思え、却って作品の持つ妖しの雰囲気を損ねているように感じた。
長編であり、且つ独特の世界観である京極作品を纏めた点には感嘆する。京極堂や眩暈坂、久遠寺医院など巧く作品の雰囲気に合った作りであった。また、関口の不安定な精神状態を永瀬正敏は良く表せていたし、堤真一も能弁家の京極堂を良く演じていた。原作者である京極夏彦の出演は、ファンには嬉しい遊び心といったところだろう。
ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。
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