
「THE NEW REPUBLIC」は、大統領専用機内に唯一設置されている、米国で最も権威のあるニュース雑誌だ。スティーブン・グラスは24歳。同僚たちの関心が政治問題に向く中、彼は身近な問題に着目。政財界のゴシップなど数々のスクープをものにし、スター記者として成長していった。そうなっても、グラスの態度は謙虚で控えめ。上司や同僚への気配りを忘れない人柄から、編集部での信頼も厚かった。しかし、ある時グラスの「ハッカー天国」という記事に、他誌から捏造疑惑説が浮上し・・・。
ピュリッツァー賞受賞作家バズ・ビッシンジャーが「Vanity Fair」誌に寄稿した記事を基に作られた実話。「スター・ウォーズ/シスの復讐」でアナキン役を演じたヘイデン・クリステンセンが、主人公グラスを演じている。
「身近な問題を扱ってもピュリッツァー賞は獲れる」と嘯くグラスは、次々にスクープ記事をものにしていく。容易く記事が捏造でき、その記事が評価を得たグラスの成功は、報道をそのまま享受することの危うさを露呈している。記事に歪曲や捏造があったとしても、受け取る側の選択如何では充分真実になり得る。それは醜聞をより好む傾向にある、社会に対する警鐘でもあるのかもしれない。
実話を基に作られた物語という事で、グラスが辿ってきた道が淡々と綴られていく。その為にグラスが記事の捏造に至るまでの経緯や心情、スター記者としてのし上がった者のプレッシャー等の描写はなく、少し物足りなさを覚えた。
最後、「THE NEW REPUBLIC」の記者が連名にて謝罪文を出すシーンに、ジャーナリズムの良心と在り方を見て取ることができる。毎日報道されるニュースに対する自身の姿勢を考えさせられる作品だった。
ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。
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