明治維新初期。新政府の命により北海道へ移住した淡路の稲田家は、新しい国を築くことを夢見て開墾に励むが、その夢は廃藩置県により打ち砕かれた。定住を決意した家臣の小松原(渡辺謙)は、北の地で育つ稲を求め札幌へ旅立つが、半年を過ぎても戻ってこない。妻の志乃(吉永小百合)は、娘を連れて夫を捜しに出るが、吹雪の中で行き倒れてしまう。5年が過ぎ、志乃は牧場を経営していた。そこへ、待ち続けた夫がある使命を持って帰ってくる・・・。
淡路から北海道という未知の土地に移住せざるを得ず、開墾の難しさに挫けそうになりながらも、逞しく生きていく稲田家の人々。その姿が、北海道の雄大な自然が織り成す四季の移ろいと共に描かれている。史実が元となったエピソードを織り交ぜながら進む物語は、説得力と厚みを作品に与えている。
ひたすらに耐え忍びながら夫の帰りを待つ妻の姿は、稲田家の人々と同様、時代に翻弄され、取り残された者の哀切が漂う。しかしそれと同時に、過酷な中においても信念を失わずに生きる志乃の姿勢は、諦観よりも、新しい時代に生きてゆかねばならない人間の前向きな決意が感じ取れる。
映画的な見せ場もあり、2時間48分のストーリーは意外に長さを感じさせない。開拓者たちの生き様が胸に響く作品だった。
ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。
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