2005年06月29日

■アイ・ロボット

アイ・ロボット.jpg

-ロボット3原則-
 第1条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。
 第2条 ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が、第1条に反する場合は、この限りではない。
 第3条 ロボットは、第1条及び第2条に反する惧れのないかぎり、自己を守らなければならない。

 西暦2035年。家庭用新型ロボットNS−5の発売を目前に控えたUSロボティック社で、ロボット工学の第一人者、ラニング博士が謎の死を遂げる。シカゴ市警のスプーナー刑事(ウィル・スミス)は、博士の死をロボットの仕業と読むが、主任のロボット心理学者カルヴィン博士(ブリジット・モイナハン)は『ロボット3原則』を掲げ、人間に危害を加える可能性を全面否定する。そこへ、一体のNS−5が動き出した。それは、3原則をプログラムされていない特別なロボットだった・・・。

 SF小説家、アイザック・アシモフの「われはロボット」をモチーフにした近未来アクション。 

 ラニング博士の死の謎を軸に、トラウマを負った為にロボットを憎んでいる刑事スプーナーと、「3原則」に縛られることなく、自由意志を持つロボットであるサニーが、次第に距離を縮めていく姿を描く。

 状況説明が簡潔にされながら、ストーリーはテンポが良く進んでいく。近未来の交通網や、ロボットが人間社会に溶け込んでいる様子が、違和感なく描かれている。

 この作品で特筆すべきは、“サニー”のキャラクターである。サニーはロボットでありながら、他のNS-5とは一線を画していて、感情が生まれて表情にそれが表れる。時折見せる表情に愛嬌があり、中でも「哀」の表情は秀逸である。ふとした仕草なども、徐々に人間に近づいているようであり親近感を覚えた。

 テクノロジーに依存する社会に警鐘するという一面を持つこの作品は、エンターテイメントとしても出来の良い作品に仕上がっていた。二度目の観賞ながら充分に楽しむことができた。
 
ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。


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