
初老の男L・T(トミー・リー・ジョーンズ)は、野生動物保護官としてひっそりと暮らしていた。そこへある日、FBI捜査官が訪ねてくる。特殊部隊の元教官でサバイバル術と追跡のエキスパートであるL・Tにオレゴンの連続殺人事件の協力を要請に来たのだった。早速現場へ飛んだL・Tは、残されたわずかな痕跡からそれが自分の教え子によるものであることを察知する。一人森に消えたL・Tは、やがて犯人のアジトを突き止め、そこでかつての教え子ハラム(ベニチオ・デル・トロ)と対峙するが・・・。
優秀なトラッカー(追跡者)が、殺人マシンと化した元教え子を追う姿を描くサスペンス。
「追う者」と「追われる者」、この構図で物語は進む。L・Tが培った技量を駆使し、ハラムを追いつめていく姿はテンポが良く、緊迫感がある。ナイフと体術のみで戦うシーンは、原始的な手法ならではの迫力だ。
物足りないのは人物の描き方である。森で隠棲していたL・Tを現場に駆り立てた理由の説明がないために、感情移入することができない。また、ハラムが森で殺人を犯した動機にしても十分な描かれ方をしていないために、殺人鬼としてのハラム像しか見えない。コソボ紛争が与えた影響を掘り下げても良かったのではないだろうか。
追跡シーンやアクションシーンは見応えがあるものの、どこか物足りなさがある作品だった。
ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。
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