

深い森に囲まれたその村では、人々が家族のような絆で結ばれながら、幸福な暮らしを営んでいる。地上の楽園のような村には、決して破ってはならない三つの掟があった。“森に入ってはならない”“不吉な赤い色を封印せよ”“警告の鐘に注意せよ”。誰が何のために掟を作ったのか、確かなことは誰一人知らないが、村人は森に棲むと噂される未知の生命体を恐れ、自分たちの世界の中だけで慎ましく生活していたのだった。そんなある日、ひとりの若者ルシアス(ホアキン・フェニックス)は、村にはない医薬品を手に入れるために、禁断の森を抜ける許可を申し出るのだが・・・。
外界から隔絶された世界“ヴィレッジ”。そこに住む人々が恐れる未知の怪物「語ってはならぬもの」の謎と、恐怖を描いていく。
姿の見えない未知の怪物に対する恐怖を中心にストーリーは進んでいく。ヴィレッジの中で不吉な色とされる赤。森に囲まれた美しい自然と、安全とされる黄色のマント、その中で浮かぶ赤い色はより不気味に移り、見えないものに対する畏怖を上手く演出している。また、閉鎖的な環境も効果的だ。
ただ、恐怖と同時に描かれている恋愛部分に、不要なエピソードが多いように思える。ストーリーが散漫な印象を受けたのは、この部分によるところが大きく、作品の方向とテーマがかみ合わずに空回りしている気がした。
M.ナイト・シャマラン監督の得意とする「衝撃の結末」 この手の作品では、タネが明かされた時に素直に驚く事ができるか、否かで作品の評価が変わるだろう。今作は衝撃度は少なかったが、それなりに納得することができた。エイドリアン・ブロディ、シガニー・ウィーバー、ウィリアム・ハートら、大物俳優達の演技によって作品に緊張感が保たれていた。
ルーピーQ的評価・・・★★・☆☆二つ星半です。
※人気blogランキング参加中〜♪