
レインボーブリッジを封鎖して解決した「台場連続殺人事件」。その事件直後、真下正義警視(ユースケ・サンタマリア)は湾岸署の前で報道陣に取り囲まれ、警視庁初の交渉人として、事件解決の経過を説明していた。1年後、2004年12月24日。警視庁交渉課準備室課長の真下は、雪乃(水野美紀)とクリスマス・イブのデートの約束をしていた。しかしその日の午後、突然、室井管理官(柳葉敏郎)から呼び出しを受ける。警視庁史上、最悪の緊急事態が発生。東京の地下鉄の最新鋭実験車両(通称クモ)が何者かに乗っ取られたのだった・・・。
「踊る大捜査線」スピンオフ・ムービー企画第一弾。“交渉人”真下と、犯人との息詰まる知能戦を描いていく。
すでに、核となる事件が物語の冒頭から始まっている。概要を簡潔に説明しつつも、スピード感の溢れる展開で画面に釘付けになる。また、緊迫する状況の中にも笑いがあり、シリーズの特徴ともいえる緊張と緩和のバランスが絶妙だ。
今回は新キャラクターが登場する。真下をサポートする木島(寺島進)である。口は悪いが気のいい木島のキャラクターは今までのシリーズにはなく、飄々とした真下の相棒として、その役割を十分に果たしている。そして、TTRの総合指令長、片岡(國村隼)や線引き屋、熊沢(金田龍之介)らの存在も、作品を引き締めながらそれぞれドラマを見せてくれた。
今まで三枚目的な役割の真下が、今回は見事にシリアスに転じている。特に、最後の犯人との攻防の末に見せた真下の表情は印象的だ。“真下正義”というキャラクターの幅と共に、作品の持つ力を感じることができ、「青島(織田裕二)の存在なしで作品が成り立つのか」という不安を見事に消してくれた。
「踊る大捜査線」の醍醐味を味わいつつも、シリーズとは一線を画した極上のエンターテイメントに仕上がっている。8月に公開される「容疑者 室井慎次」も期待十分である。
ルーピーQ的評価・・・★★★★☆四つ星です。
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