
1929年の大恐慌以降、アメリカは苦難の季節を迎えていた。自動車販売で成功したものの、息子を事故で亡くし、妻にも去られた大富豪ハワード(ジェフ・ブリッジス)。開拓時代の終焉により、時代遅れのカウボーイとなったトム(クリス・クーパー)。一家離散の憂き目に合い、草競馬のジョッキーに身をやつした青年レッド(トビー・マグワイア)。人生の辛酸をなめていた3人の男は、運命の糸に導かれるようにして一頭のサラブレッドに出会う。その名はシービスケット。彼らと同じく運に見放された小柄な馬だった・・・。
様々な理由で辛酸を舐めてきた3人の男達が、一頭の競走馬との出会いを通じてアメリカンドリームを実現する道程が実話を基に描かれている。
レッド、トム、ハワードの3人がシービスケットと出会うまでに辿った経緯が冗長すぎるように感じられ、それに反してシービスケットの活躍する様子があまりに簡潔すぎる。3人それぞれのバックグラウンドよりも、シービスケットが「完璧な馬」ウォーアドミアルに挑戦するまでの成長過程に重点を置いた方が、より感情移入しやすかったのではないだろうか。
“三流馬”と揶揄されたシービスケットが勝ち進んでいく姿は、まさにアメリカンドリームそのものだ。どんな不遇な状況にも負けることのないその姿が、時代背景も相まって人々を励まし熱狂させたのだろう。シービスケットが他の馬をごぼう抜きするレースシーンは観ていて痛快だ。
レースシーンの迫力もさることながら、合間に挿入される写真や実況中継の様子が、当時の熱狂ぶりを上手く再現していた。観賞後に爽快な気分になれる作品だった。
ルーピーQ的評価・・・★★・☆☆二つ半星です。
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