
ソウルを一望できる優雅なスカイラウンジ。ここはソヌ(イ・ビョンホン)の城だ。7年かかってホテルの総マネージャーであるこの地位まで昇りつめた。冷酷なほどに頭の切れる男ソヌは、表にも裏にも通るその手腕により、裏社会にも絶大な力を持つボスの信頼と寵愛を一身に受けていた。 ホテルの社長であり、ソヌのボスでもあるカン(キム・ヨンチョル)は、裏社会を牛耳る冷酷無比な男で、ある秘密を抱えていた。若い愛人ヒス(シン・ミナ)のことだ。カンはヒスに他の男がいるのではないかという考えに苛まされており、ソヌは彼女の監損を命じられるが・・・。
イ・ビョンホン自ら代表作と語るこの作品は、クールでストイックな主人公の一瞬の判断の狂いから生じる非情な運命を描いていく。
導入部から主人公ソヌの性質と、社長のカンとの関係を表すエピソードが無駄なく挿入され、物語はスピーディに展開されていく。中でも、ソヌが無表情で「厄介な客」を排除する際のアクション・シーンは秀逸で、その後のソヌと対比する上でも見逃せないエピソードとなっている。
だが、ソヌがヒスに惹かれていく過程の描き方が不充分に感じられた。その為、彼女のための選択を決断したソヌの心情にいまいち感情移入し難い。もう少し時間を割いてエピソードを入れたほうが、より一層ソヌの行動に説得力を持たせる事が出来たかもしれない。
たった一度、「心が揺れた」為に運命の歯車が狂っていく様子が淡々と描かれ、それでも抗いながら戦う姿に「男の美学」を見る事ができる。クールなソヌが次第に感情を露わにしていく過程を、イ・ビョンホンが上手く演じていた。
ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。
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