2005年05月31日

■キングダム・オブ・ヘブン

キングダムオブヘブン.bmp

 12世紀のフランス。妻子を亡くし失意のどん底にある鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)の元に、十字軍の騎士・ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)が訪れて、自分が父親だと告げる。バリアンは父に従い、聖地エルサレムへと旅立つ。当時、聡明なキリスト教徒の王ボードワン(エドワード・ノートン)と、回教徒のカリスマ的指導者サラディン(ハッサン・マスード)によって束の間の平和が保たれていたエルサレムだったが、権力の座を狙う一派の卑劣な振る舞いにより危機が迫っていた・・・。

 バリアンが騎士として成長する姿を通し、騎士道精神や、キングダム・オブ・ヘブン(天国の王国)とは何か、その在るべき姿を説いていく。

 贖罪のために、聖地エルサレムへと向かうバリアン。しかし、その葛藤や心情の描写が希薄に感じられる。その為に、運命を享受し、騎士として戦いに身を投じていく姿に淡々とした印象を受け、バリアンに共感を覚えることが難しい。

 “恐れず敵に立ち向かえ” “勇気を示せ” “死を恐れず、真実を語れ” “弱きを守り、正義に生きよ” バリアンがこれを実践し、エルサレムの城壁で繰り広げる攻防戦は見応えがある。バリアンが騎士として成長する過程や心情を深く掘り下げて描けていれば、このシーンはより厚みを持ったものとなっただろう。

 現在も続く宗教問題に対し、製作者側のメッセージは感じることが出来る。リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズ、ハッサン・マスードら脇を固めた俳優陣の存在感が作品を支えていた。

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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posted by ルーピーQ at 15:44| 千葉 ☔| Comment(21) | TrackBack(46) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月29日

■コンスタンティン

コンスタンティン.bmp

 悪魔を見分ける特殊能力を持ったジョン・コンスタンティン(キアヌ・リーブス)は、人間界に潜む悪魔を地獄へ送り返し続けている。その体は末期ガンに冒され、余命は1年。悪魔祓いの最中、不穏な空気を感じたジョンは、地上を成立させている、天国と地獄の均衡が崩れかけていることを知る。同じ頃、妹の自殺に不審を抱く女刑事アンジェラ(レイチェル・ワイズ)が、ジョンに協力を頼んできた。妹、イザベルの手首には、サタンの子ルシファーの印が刻まれていた・・・。

 死後の天国行きため、天国と地獄のバランスを保つべく、エクソシストとして悪魔祓いを続けるジョン・コンスタンティンの姿を描く。

 “天国と地獄”その狭間である人間界で跋扈する“ハーフ・ブリード”を駆逐する事、それがコンスタンティンの役目である。キリスト教を背景とした特殊な状況設定だが、世界観が確立し状況説明がテンポ良く進むために、キリスト教に精通せずとも作品に入り込む事が出来る。異世界を舞台とした設定だが、エンターテイメントとして十分に成り立っているだろう。

 また、主人公のキャラクター設定が面白い。コンスタンティンは、余命一年の肺がんと宣告されてもタバコを手放さず、悪魔祓いを行うのも、決定している地獄行きを免れるためという自分本位の男である。やさぐれた男を主人公に据える事で、「マトリックス」のイメージが強かったキアヌ・リーブスが、新たなアンチ・ヒーローを作り上げる事に成功している。

 驚かすための音響に興ざめる部分もあるものの、スピーディな展開は最後まで飽きさせる事がなく、単純に楽しむ事ができる作品だった。また、エンド・ロール後の映像に今後の期待を抱かせた。

ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。


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posted by ルーピーQ at 01:30| 千葉 ☀| Comment(44) | TrackBack(62) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月27日

■ハンテッド

ハンテッド.bmp

 初老の男L・T(トミー・リー・ジョーンズ)は、野生動物保護官としてひっそりと暮らしていた。そこへある日、FBI捜査官が訪ねてくる。特殊部隊の元教官でサバイバル術と追跡のエキスパートであるL・Tにオレゴンの連続殺人事件の協力を要請に来たのだった。早速現場へ飛んだL・Tは、残されたわずかな痕跡からそれが自分の教え子によるものであることを察知する。一人森に消えたL・Tは、やがて犯人のアジトを突き止め、そこでかつての教え子ハラム(ベニチオ・デル・トロ)と対峙するが・・・。

 優秀なトラッカー(追跡者)が、殺人マシンと化した元教え子を追う姿を描くサスペンス。

 「追う者」と「追われる者」、この構図で物語は進む。L・Tが培った技量を駆使し、ハラムを追いつめていく姿はテンポが良く、緊迫感がある。ナイフと体術のみで戦うシーンは、原始的な手法ならではの迫力だ。

 物足りないのは人物の描き方である。森で隠棲していたL・Tを現場に駆り立てた理由の説明がないために、感情移入することができない。また、ハラムが森で殺人を犯した動機にしても十分な描かれ方をしていないために、殺人鬼としてのハラム像しか見えない。コソボ紛争が与えた影響を掘り下げても良かったのではないだろうか。

 追跡シーンやアクションシーンは見応えがあるものの、どこか物足りなさがある作品だった。

ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。

 
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posted by ルーピーQ at 00:53| 千葉 🌁| Comment(3) | TrackBack(2) | ■映画レビュー -DVD観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月25日

■ヴィレッジ

ヴィレッジ.bmpヴィレッジ2.bmp 

 深い森に囲まれたその村では、人々が家族のような絆で結ばれながら、幸福な暮らしを営んでいる。地上の楽園のような村には、決して破ってはならない三つの掟があった。“森に入ってはならない”“不吉な赤い色を封印せよ”“警告の鐘に注意せよ”。誰が何のために掟を作ったのか、確かなことは誰一人知らないが、村人は森に棲むと噂される未知の生命体を恐れ、自分たちの世界の中だけで慎ましく生活していたのだった。そんなある日、ひとりの若者ルシアス(ホアキン・フェニックス)は、村にはない医薬品を手に入れるために、禁断の森を抜ける許可を申し出るのだが・・・。

 外界から隔絶された世界“ヴィレッジ”。そこに住む人々が恐れる未知の怪物「語ってはならぬもの」の謎と、恐怖を描いていく。

 姿の見えない未知の怪物に対する恐怖を中心にストーリーは進んでいく。ヴィレッジの中で不吉な色とされる赤。森に囲まれた美しい自然と、安全とされる黄色のマント、その中で浮かぶ赤い色はより不気味に移り、見えないものに対する畏怖を上手く演出している。また、閉鎖的な環境も効果的だ。

 ただ、恐怖と同時に描かれている恋愛部分に、不要なエピソードが多いように思える。ストーリーが散漫な印象を受けたのは、この部分によるところが大きく、作品の方向とテーマがかみ合わずに空回りしている気がした。

 M.ナイト・シャマラン監督の得意とする「衝撃の結末」 この手の作品では、タネが明かされた時に素直に驚く事ができるか、否かで作品の評価が変わるだろう。今作は衝撃度は少なかったが、それなりに納得することができた。エイドリアン・ブロディ、シガニー・ウィーバー、ウィリアム・ハートら、大物俳優達の演技によって作品に緊張感が保たれていた。

ルーピーQ的評価・・・★★・☆☆二つ星半です。


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posted by ルーピーQ at 01:40| 千葉 ☔| Comment(14) | TrackBack(16) | ■映画レビュー -DVD観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月23日

■第58回カンヌ映画祭 パルム・ドール発表!

-最高賞受賞兄弟「イラク人質記者に捧げたい」-

 仏時21日、コンペティション部門の受賞結果が発表され、最高賞に当たるパルムドールにリュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ兄弟のベルギー映画『ザ・チャイルド』が選ばれ、プレゼンターの“オスカー受賞コンビ”米俳優モーガン・フリーマンとヒラリー・スワンクから記念の盾を受け取った。ダルデンヌ兄弟のパルム・ドール受賞は、99年の『ロゼッタ』に続き、2度目となる。

 今年、映画祭のメーン会場であるシアター・ルミエール正面には、イラクで人質となっている仏人女性記者2人と運転手の解放を願って3人の写真が掲げられているが、ダルデンヌ兄弟は「この受賞を、現在、人質となっている彼らに捧げたい」と語った。

 次点に当たるグランプリには、批評家からの人気も高かったジム・ジャームッシュ監督の『ブロークン・フラワーズ』が受賞。壇上でジャームッシュ監督は、自分の作品を選んでくれたエミール・クストリッツァ監督たち“ストレンジな審査員(byジャームッシュ)”に感謝しつつ、同じコンペティション部門で競うことになったデビッド・クローネンバーグ監督や侯孝賢監督らの名前を挙げ「僕は20年前に映画を作り始めた時からあなたたちの映画から学んだ、あなたたちの生徒です。こうして同じ場に自分の作品が上映されたことを誇りに思う」と日本式のお辞儀をしながら礼を述べ、受賞を逃した監督たちへの敬意を示した。

 優秀男優賞は映画『メルキダス・エスキラーダの3回の埋葬』で監督デビューも果たした米俳優トミー・リー・ジョーンズが受賞。同作品では、映画『アモーレス・ペロス』で知られるギジェルモ・アリアガ・ホルダンが脚本賞も獲得し、Wでの受賞となった。ジョーンズは「名誉ある映画祭でこんな賞を頂けるなんて、本当に驚いた。これからも、できれば映画を作り続けていきたい」と笑顔を見せた。

 なお、日本から出品されていた小林政広監督『バッシング』は賞を逃した。・・・FLix

受賞結果は次の通り。

・パルム・ドール
『ザ・チャイルド』
 リュック&ジャン・ピエール・ダルデンヌ

・グランプリ
『ブロークン・フラワー』
ジム・ジャームッシュ

・優秀女優賞
アナ・ラスロ
(『フリーー・ゾーン』アモス・ギタイ)

・優秀男優賞
トミー・リー・ジョーンズ
(『メルキダス・エスキラーダの3回の埋葬』 トミー・リー・ジョーンズ)

・監督賞
ミハエル・ハネケ
(『ヒドゥン』)

・脚本賞
 ギジェルモ・アリアガ・ホルダン
(『メルキダス・エスキラーダの3回の埋葬』)

 ・・・という結果になりました。みなさんの予想は当たりましたか?『バッシング』は残念でしたが、ノミネートされるだけでも栄誉のある事ですよね。コンペティション部門以外で受賞した日本の作品もあったようですし、『オペレッタ狸御殿』では上映後5分間のスタンディングオベーションもあったそうです。日本映画が海外で評価されるのは嬉しいです。・・・ルーピーQ






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posted by ルーピーQ at 00:19| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | ■映画情報 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月21日

■2046

チャウ.bmp

 1967年の香港で、ひとりの作家が2046年の未来を舞台にした近未来小説を執筆している。舞台の中の登場人物たちは、”2046”という未知の場所を目指し、ミステリートレインに乗り込んだ。そこには美しい女性の姿をしたアンドロイドの客室乗務員の姿があった。”2046”に行けば、失われた愛を見つける事が出来る―。登場人物たちはそう信じている。しかし、その真実は定かではなかった。誰一人として”2046”から帰ってきた者はいないのだ。明かすことの出来ない秘密と目的を抱えて乗客の中にいる、ただひとりの男を除いては・・・。

 作家・チャン(トニー・レオン)の過去と現在、そして執筆している作品「2046」。この三つの世界が、クリスマス・イヴを基点に交錯して描かれる。

 まず、2046年を舞台にしたSFだと思って映画に臨むと肩透かしを食うだろう。前述した通り、「2046」とは作家の過去と現在を投影した創造の産物である。その為に、作中の大半はストーリーを追いながら理解する事に費やされ、点と点が結ばれているような構成に混乱してしまう。チャンが自身を投影する日本人男性(木村拓哉)の存在、「2046」の近未来の設定や、ミステリートレインの描き方が中途半端で、必然性を感じることが出来なかった。

 過去の恋愛に捕らわれながら刹那の恋愛に浸かる日々を送る屈折した男と、その前を通り過ぎて行く女たち。物語をチャンの回顧録として捉えればまた見方も変わる。SFの要素を抜きにしてシンプルに筋立てた方が、より楽しめたのではないだろうか。

 ストーリーよりも映像の美しさと、それを盛り立てる音楽に強い印象を受ける。トニーレオン、コン・リー、フェイ・ウォン、チャン・ツィイー、マギー・チャンらアジアを代表するスターの共演作としては、物足りなさを感じた。

ルーピーQ的評価・・・★★・☆☆二つ星半です。


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2005年05月19日

■殺人の追憶

殺人の追憶.bmp 

 1986年、ソウル近郊の小さな村で手足を縛られた女性の変死体が発見される。地元刑事のパク(ソン・ガンホ)が捜査に当たるが、手がかりのないまま、新たな犠牲者を出してしまう。ソウル市警からソ刑事(キム・サンギョン)が派遣されるも、パクとソは、捜査方法の違い、容疑者を特定できない焦りから衝突ばかり。その間にも犠牲者は増え続け、やがてパクたちは有力な容疑者、ヒョンギュを捕まえる。証拠不十分でヒョンギュを拘束できないパクたちは、DNA鑑定の結果を待つが・・・。

 180万人の警官が動員され、3000人以上の容疑者が取り調べを受けるも、犯人の検挙に至らなかった。韓国で実際に起きた未解決の連続殺人事件を基に映画化した作品。

 捜査に当たる刑事たちの緊迫感だけではなく、その日常を上手く描写している。緊張感の中にもユーモアがあり、刑事もまた一人の人間なのだという事を認識させられる。証拠の捏造や自白の強要など旧態依然とした捜査方法に辟易するが、捜査にあたる刑事たちの焦りが見て取れた。霊媒師の元を訪れるエピソードはその最たるものだろう。

 映画として純粋に楽しむ種類の作品ではないが、猟奇殺人に焦点を当てるのではなく事件に関わった人間のリアルな心情を描いたことで、濃厚なドラマになっていたと思う。

ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。


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2005年05月17日

■「最終兵器彼女」が実写映画化!

 2000〜01年に週刊ビッグコミックスピリッツで連載され、単行本全7巻で350万部を売り上げた人気コミック「最終兵器彼女」が映画化(来年2月公開予定)されることが15日、分かった。最終兵器として戦うことになってしまった少女・ちせを女優・前田亜季(19)が、ちせの恋人のシュウジを俳優・窪塚俊介(23)が演じる。ファン待望の実写映画化がついに実現し“最彼(さいかの)ブーム”が吹き荒れそうだ。

 連載開始から5年、ついに“最彼”の実写映画化が実現する。人気コミック「いいひと。」などで知られる漫画家・高橋しんさんが手掛けた原作は、2000年に連載がスタート。ある日、背中から鋼鉄の翼を生やし“最終兵器”として敵と戦う宿命を背負ってしまった女子高生・ちせと、その恋人・シュウジの姿を描き人気爆発。高校生のピュアな恋愛と、少女が一人で敵と戦うというSF的な世界観がミックスされ、幅広い層の読者から支持された。

 単行本は全7巻で350万部を売り上げた。02年にテレビアニメ化され、さらにファン層を拡大。レンタルビデオは累計約2万2000本、セルDVDは累計約7万5000本を売り上げた。8、9月にはオリジナルビデオアニメ(OVA)の発売も決定しており、人気はとどまるところを知らない。公式ホームページには最高で1日に180万アクセスがあり、現在も平均1日2万アクセスを維持している。海外でも人気で、新作OVAには欧州、米国、豪州、台湾などからオファーが殺到。日本を代表するアニメのひとつとして注目を集めている。

 ファン待望の実写化では、戦闘シーンなどは最新のデジタル技術を駆使して迫力満点に描かれる。映画「バトル・ロワイアル」で第24回日本アカデミー賞新人女優賞を受賞するなど演技力には定評がある前田は「台本を読んで、アクションシーンやCG合成が多そうで、ちょっと心配ですが、初めての経験ができそうで期待もしています。普通の女子高校生と兵器である、ちせのギャップを楽しみたいです」とコメント。俳優・窪塚洋介(26)の弟で、「火火(ひび)」「あぶない刑事」に続く3本目の映画となる窪塚俊介は「時間の経過とともに変化していく2人の関係の中で、ちせのことを必死で思うシュウジの心の動きを繊細に表現したい」とやる気満々だ。

 14日に北海道でクランクインし、撮影は6月下旬まで続く。終わりなき戦いの中で恋する2人。異色の純愛物語は感動を呼びそうだ。・・・スポーツ報知

 付き合い始めて間もない彼女が、いきなり「最終兵器」になってしまった・・・。「最終兵器彼女」は、そこから始まる物語です。SFというよりも、ラブストーリーとしての要素が濃い作品だと記憶しています。“シュウジ”と“ちせ”の日常が侵されていく姿が見ていて切ないです。
 個人的に漫画の実写化にはあまり良い思い出がないのですが、原作ファンとしては世界観を巧く表現してくれる事を願っています。・・・ルーピーQ


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2005年05月15日

■交渉人 真下正義

真燕。正義.bmp
 
 レインボーブリッジを封鎖して解決した「台場連続殺人事件」。その事件直後、真下正義警視(ユースケ・サンタマリア)は湾岸署の前で報道陣に取り囲まれ、警視庁初の交渉人として、事件解決の経過を説明していた。1年後、2004年12月24日。警視庁交渉課準備室課長の真下は、雪乃(水野美紀)とクリスマス・イブのデートの約束をしていた。しかしその日の午後、突然、室井管理官(柳葉敏郎)から呼び出しを受ける。警視庁史上、最悪の緊急事態が発生。東京の地下鉄の最新鋭実験車両(通称クモ)が何者かに乗っ取られたのだった・・・。

 「踊る大捜査線」スピンオフ・ムービー企画第一弾。“交渉人”真下と、犯人との息詰まる知能戦を描いていく。

 すでに、核となる事件が物語の冒頭から始まっている。概要を簡潔に説明しつつも、スピード感の溢れる展開で画面に釘付けになる。また、緊迫する状況の中にも笑いがあり、シリーズの特徴ともいえる緊張と緩和のバランスが絶妙だ。

 今回は新キャラクターが登場する。真下をサポートする木島(寺島進)である。口は悪いが気のいい木島のキャラクターは今までのシリーズにはなく、飄々とした真下の相棒として、その役割を十分に果たしている。そして、TTRの総合指令長、片岡(國村隼)や線引き屋、熊沢(金田龍之介)らの存在も、作品を引き締めながらそれぞれドラマを見せてくれた。

 今まで三枚目的な役割の真下が、今回は見事にシリアスに転じている。特に、最後の犯人との攻防の末に見せた真下の表情は印象的だ。“真下正義”というキャラクターの幅と共に、作品の持つ力を感じることができ、「青島(織田裕二)の存在なしで作品が成り立つのか」という不安を見事に消してくれた。

 「踊る大捜査線」の醍醐味を味わいつつも、シリーズとは一線を画した極上のエンターテイメントに仕上がっている。8月に公開される「容疑者 室井慎次」も期待十分である。


ルーピーQ的評価・・・★★★★☆四つ星です。
 

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posted by ルーピーQ at 01:20| 千葉 ☁| Comment(80) | TrackBack(156) | ■映画レビュー -劇場観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月13日

■エンタの神様 -ベストセレクション1-

エンタ1.bmp

<出演>
いつもここから/インスタントジョンソン/ドランクドラゴン/長井秀和/青木さやか/アンタッチャブル
スピードワゴン/パぺマぺX/ダーリンハニ−/カンニング/きくりん/アンジャッシュ/ユリオカ超特Q/はなわ

 日テレで現在放送中の「エンタの神様」。若手お笑い芸人の登竜門となっている番組から厳選されたネタを収録した、ベストセレクション第一弾。

 トーク無しで、芸人のネタのみを見せる貴重な番組「エンタの神様」。過度な演出をせず、純粋に芸人のネタだけで勝負している番組の姿勢には好感が持てます。この番組からブレークした芸人さんも多いですよね♪

 今回、ルーピーQのお気に入りに挙げるのは“アンジャッシュ”です。収録されているネタは「心の声(カツラ)」。彼らのネタは、日本語を巧みに操ることで笑いを生み出しています。計算され作りこまれた笑いは、画面を見なくても聴いているだけで十分面白いです。

 陣内智則と波田陽区が収録されていないのが残念です・・・。2以降に期待♪


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posted by ルーピーQ at 09:05| 千葉 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | ■お笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月11日

■シービスケット

シービスケット.bmp

 1929年の大恐慌以降、アメリカは苦難の季節を迎えていた。自動車販売で成功したものの、息子を事故で亡くし、妻にも去られた大富豪ハワード(ジェフ・ブリッジス)。開拓時代の終焉により、時代遅れのカウボーイとなったトム(クリス・クーパー)。一家離散の憂き目に合い、草競馬のジョッキーに身をやつした青年レッド(トビー・マグワイア)。人生の辛酸をなめていた3人の男は、運命の糸に導かれるようにして一頭のサラブレッドに出会う。その名はシービスケット。彼らと同じく運に見放された小柄な馬だった・・・。

 様々な理由で辛酸を舐めてきた3人の男達が、一頭の競走馬との出会いを通じてアメリカンドリームを実現する道程が実話を基に描かれている。

 レッド、トム、ハワードの3人がシービスケットと出会うまでに辿った経緯が冗長すぎるように感じられ、それに反してシービスケットの活躍する様子があまりに簡潔すぎる。3人それぞれのバックグラウンドよりも、シービスケットが「完璧な馬」ウォーアドミアルに挑戦するまでの成長過程に重点を置いた方が、より感情移入しやすかったのではないだろうか。

 “三流馬”と揶揄されたシービスケットが勝ち進んでいく姿は、まさにアメリカンドリームそのものだ。どんな不遇な状況にも負けることのないその姿が、時代背景も相まって人々を励まし熱狂させたのだろう。シービスケットが他の馬をごぼう抜きするレースシーンは観ていて痛快だ。

 レースシーンの迫力もさることながら、合間に挿入される写真や実況中継の様子が、当時の熱狂ぶりを上手く再現していた。観賞後に爽快な気分になれる作品だった。

ルーピーQ的評価・・・★★・☆☆二つ半星です。


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posted by ルーピーQ at 00:55| 千葉 | Comment(4) | TrackBack(10) | ■映画レビュー -DVD観賞- 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月09日

■甘い人生

甘い人生.bmp

 ソウルを一望できる優雅なスカイラウンジ。ここはソヌ(イ・ビョンホン)の城だ。7年かかってホテルの総マネージャーであるこの地位まで昇りつめた。冷酷なほどに頭の切れる男ソヌは、表にも裏にも通るその手腕により、裏社会にも絶大な力を持つボスの信頼と寵愛を一身に受けていた。 ホテルの社長であり、ソヌのボスでもあるカン(キム・ヨンチョル)は、裏社会を牛耳る冷酷無比な男で、ある秘密を抱えていた。若い愛人ヒス(シン・ミナ)のことだ。カンはヒスに他の男がいるのではないかという考えに苛まされており、ソヌは彼女の監損を命じられるが・・・。

 イ・ビョンホン自ら代表作と語るこの作品は、クールでストイックな主人公の一瞬の判断の狂いから生じる非情な運命を描いていく。

 導入部から主人公ソヌの性質と、社長のカンとの関係を表すエピソードが無駄なく挿入され、物語はスピーディに展開されていく。中でも、ソヌが無表情で「厄介な客」を排除する際のアクション・シーンは秀逸で、その後のソヌと対比する上でも見逃せないエピソードとなっている。

 だが、ソヌがヒスに惹かれていく過程の描き方が不充分に感じられた。その為、彼女のための選択を決断したソヌの心情にいまいち感情移入し難い。もう少し時間を割いてエピソードを入れたほうが、より一層ソヌの行動に説得力を持たせる事が出来たかもしれない。

 たった一度、「心が揺れた」為に運命の歯車が狂っていく様子が淡々と描かれ、それでも抗いながら戦う姿に「男の美学」を見る事ができる。クールなソヌが次第に感情を露わにしていく過程を、イ・ビョンホンが上手く演じていた。

ルーピーQ的評価・・・★★★・☆三つ星半です。 


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2005年05月07日

■ハイド・アンド・シーク -暗闇のかくれんぼ-

ハイドアンドシーク.bmp

 母の自殺以来、心を閉ざしたエミリー(ダコタ・ファニング)は、心理学者の父デビッド(ロバート・デ・ニーロ)とともにニューヨーク郊外へ引っ越した。デビッドはエミリーに友達を作るように仕向けるが、エミリーは誰にも心を開くことはなく、見えない友達「チャーリー」とだけ遊ぶようになる。戸惑いながらも、エミリーの空想を静観することにしたデビッドだが、やがてチャーリーの存在は、彼らの生活を脅かしていく。娘を救うため、デビッドはエミリーの心の闇を解明しようとするが・・・。

 名優ロバート・デ・ニーロと、天才子役ダコタ・ファニングの共演が話題を呼んだサスペンス・スリラー。トラウマを負ったエミリーの謎の友達「チャーリー」によって引き起こされる恐怖を描く。

 全体的に暗い画面と不安を煽る音楽が、効果的に恐怖を演出していて、分かっていても驚かされてしまう。これらの演出は、得体の知れない「チャーリー」に対する恐怖心を上手く引き立てている。

 難をいえば、スリラーの王道のような作りなだけに目新しさが無く、展開がある程度予測できてしまう。ストーリー設定に、もう一捻り欲しいところだろう。しかし、娘との関係を修復しようと試みる父親の苦悩をデ・ニーロが好演し、ダコタもまた、「チャーリー」と共に父親を翻弄するミステリアスな少女を、デ・ニーロに引けを取らない存在感で演じていた。この二人の演技が作品に緊迫感を与えている。

 サスペンス・スリラーとしては及第点だろう。別バージョンのエンディングを観た時に、もう一度評価したいと思う。

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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2005年05月05日

■僕の彼女を紹介します

僕カノ.bmp

 一見うら若い乙女、ギョンジン(チョン・ジヒョン)は、仕事に燃える熱血警察官。誤認逮捕が元で知り合った高校教師、ミョンウ(チャン・ヒョク)と恋に落ちた。無鉄砲なギョンジンを、ハラハラしながら見守るミョンウは、何があっても彼女を守ると心に誓う。ある夏、車で旅行に出た2人は落石事故にあい、川に落ちたミョンウが意識を失ってしまう。ギョンジンの必死の処置で一命を取りとめたミョンウは、彼女への気持ちを一層強くするが、そんな2人に、過酷な運命が待ち受けていた・・・。

 エネルギッシュな女性警官と、平凡だが優しさに溢れた男性教師の恋をコメディタッチで描く。韓国映画の歴代興行収入トップになった事でも話題になった作品。

 物語の導入部はテンポが良く、個性的なギョンジンの魅力が十分に伝わってくる。ギョンジンという独善的なキャラクターをキュートに演じたチョン・ジヒョンは、はまり役といっていいだろう。破天荒なギョンジンに振り回されながらも彼女に惹かれ、見守っているミョンウが観ていて微笑ましく、二人の軽妙なやり取りには思わず笑ってしまう。

 しかし、軽快な前半に比べると中盤から後半にかけて、ややペースダウンする。作中、不要に思われるエピソードも多く、また音楽も過剰に流れすぎている。ギョンジンのキャラクターを活かしたストーリー、すなわち前半のラブコメディ路線をそのまま展開してもよかったのではないだろうか。

 終盤の犯人との攻防や銃撃シーンには迫力があり、なかなか楽しむことができる。韓国映画の勢いを感じる作品であった。

ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。


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2005年05月03日

■ウッチャンが映画監督に初挑戦!

 お笑いコンビ、ウッチャンナンチャンの内村光良(40)が映画「ピーナッツ」(来年公開予定)で監督に初挑戦することが1日、分かった。草野球チームの選手たちを描くコミカルな人間ドラマで、内村は監督のほか、脚本、主演の3役を務める。若いころ映画監督を目指していた内村は「気持ちよく映画館を後にできる作品にしたい」と意気込んでいる。 

 内村がかねて「究極の目標」と語っていた映画監督に挑戦する。
「ピーナッツ」は、伝説の草野球選手がひょんなことからチームを再結成し、人生に悩みながらも生きる力を取り戻していく姿をコミカルに描くヒューマンドラマ。内村が自ら書き下ろしたオリジナル作品だ。昨年夏に「映画化できないかな」と映画関係者に脚本を見せたところ、トントン拍子に話が進んでいった。 

 プロデューサーは「世界の中心で、愛をさけぶ」「いま、会いにゆきます」などを手掛けた春名慶氏。同氏は「今、忘れられているような実直さやひたむきさがストーリーににじみ出ている」という。 

 内村が主役の草野球選手を演じ、ヒロインは桜井幸子に決定。さまぁ〜ず、TIM、ふかわりょうら、内村が司会を務めるテレビ朝日「内村プロデュース」のメンバーも出演する。春名氏は「リーダー的存在の内村さんなら、彼らのいい表情、いいテンションを引き出せるはず」と手腕に期待を寄せる。
 
 内村は熊本県内の高校を卒業後、映画監督を目指して上京した。専門学校「横浜放送映画専門学院」(現・日本映画学校)に入学。在学中に相方の南原清隆(40)と出会い、お笑いタレントとしてデビューした。映像へのこだわりは深く、深夜ドラマの脚本、演出を手掛けたこともあった。今回の作品については「草野球にかけるおっさんたちの映画です。気持ちよく映画館を後にできるような作品づくりを、初心者の心意気で目指していきたい」と話す。
 
 今日2日に横浜市内でクランクイン。1カ月間撮影を行い、7月に完成予定。元テレ朝アナウンサー徳永有美さん(29)との結婚を発表したばかりの内村が、新たな夢の実現に踏みだす。・・・日刊スポーツ

 最近ではお笑い芸人としての活動よりも、プライベートの方で話題が多かったウッチャンですが、今回とうとう念願の映画監督としてデビューするんですね〜。今までの活動とは異なる監督業にどう挑んでいくのか見物です。お笑い芸人さんには多才な方が多いですね。・・・ルーピーQ

「ピーナッツ」最新情報はこちら


posted by ルーピーQ at 00:10| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(7) | ■映画情報 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月01日

■5月公開の気になる映画

5月公開の気になる作品をピックアップ!ルーピーQ的期待度が高い作品順にラインアップしました。今月は4本の紹介です。

■キングダム・オブ・ヘヴン (5月14日公開)

オーランド.bmp

ストーリー: 父親が勇敢な騎士ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)と知った鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)は、十字軍に入隊、戦いに身を投じる。たくましい騎士に成長したバリアンは、やがてエルサレム王を助け、美しい王女シビラ(エヴァ・グリーン)と禁じられた恋に落ちるが・・・。

期待度 ★★★★☆・・四つ星

公式HP http://www.foxjapan.com/movies/kingdomofheaven/

■交渉人 真下正義 (5月7日公開)

交渉人.bmp

ストーリー: クリスマス・イブを雪乃(水野美紀)とデートするはずだった警視庁交渉課準備室課長の真下(ユースケ・サンタマリア)は、室井管理官(柳葉敏郎)に呼び出され、何者かにのっとられた東京の地下鉄の最新鋭実験車両事件に挑むが・・・。

期待度 ★★★★☆・・四つ星

公式HP http://www.odoru-legend.com/

■ザ・インタープリター (5月21日公開)

ニコール.bmp

ストーリー: 国連で通訳として働くシルビア(ニコール・キッドマン)は、謎の人物たちのグー語の会話から、ある人物の暗殺計画を偶然立ち聞きしてしまう。彼女の周りに怪しい人物が暗躍し、シークレット・サービスのトビン(ショーン・ペン)が彼女を守る任務につくが・・・。

期待度 ★★★・☆ ・・三つ星半

公式HP http://www.inpri.jp/


■バタフライ・エフェクト (5月14日)

バタフライ.bmp

ストーリー: 幼い頃、ケイリー(エイミー・スマート)のもとを去るとき、エヴァン(アシュトン・カッチャー)は、「君を迎えに来る」と約束した。だが時は流れ、ケイリーとエヴァンは全く別の道を歩んでいた・・・。

期待度 ★★★☆☆・・三つ星

公式HP http://www.butterflyeffect.jp/



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posted by ルーピーQ at 00:00| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(3) | ■映画情報 2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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