12世紀のフランス。妻子を亡くし失意のどん底にある鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)の元に、十字軍の騎士・ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)が訪れて、自分が父親だと告げる。バリアンは父に従い、聖地エルサレムへと旅立つ。当時、聡明なキリスト教徒の王ボードワン(エドワード・ノートン)と、回教徒のカリスマ的指導者サラディン(ハッサン・マスード)によって束の間の平和が保たれていたエルサレムだったが、権力の座を狙う一派の卑劣な振る舞いにより危機が迫っていた・・・。
バリアンが騎士として成長する姿を通し、騎士道精神や、キングダム・オブ・ヘブン(天国の王国)とは何か、その在るべき姿を説いていく。
贖罪のために、聖地エルサレムへと向かうバリアン。しかし、その葛藤や心情の描写が希薄に感じられる。その為に、運命を享受し、騎士として戦いに身を投じていく姿に淡々とした印象を受け、バリアンに共感を覚えることが難しい。
“恐れず敵に立ち向かえ” “勇気を示せ” “死を恐れず、真実を語れ” “弱きを守り、正義に生きよ” バリアンがこれを実践し、エルサレムの城壁で繰り広げる攻防戦は見応えがある。バリアンが騎士として成長する過程や心情を深く掘り下げて描けていれば、このシーンはより厚みを持ったものとなっただろう。
現在も続く宗教問題に対し、製作者側のメッセージは感じることが出来る。リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズ、ハッサン・マスードら脇を固めた俳優陣の存在感が作品を支えていた。
ルーピーQ的評価・・・★★★☆☆三つ星です。
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