
老朽化と経営不振に双方から直面している病院で、患者を死なせてしまうという医療事故が発生する。外科医の秋葉(佐藤浩市)と内科医の魚住(高嶋政信)は、保身のために隠蔽を図る。そんな時、内臓が溶け出すという不気味な症状を発症した患者が担ぎ込まれてくる。今まで遭遇した事のない原因不明の病に、揺れる秋葉と魚住。しかし、真の恐怖の根源はすでに感染を始めていた・・・。
今作は、Jホラーシアターの第一弾で、公開時は「予言」と同時上映。病院という閉鎖空間で巻き起こる恐怖を描く、シチュエーションホラー。
夜の病院という定番の舞台に、精神的に追いつめられている医師や看護婦たちと、謎の感染症患者・・・。十分すぎるほど揃った舞台設定や効果音は、ホラー映画としての役割を果たし、それだけで恐怖感を与えるだろう。加えて俳優陣の演技、中でも佐野史郎や南果歩といった実力派たちの怪演は、より作品の雰囲気を盛り上げている。
感染ルートも解らないままに、次々と未知のウィルスに「感染」していく人々に対して、為す術のない閉塞感の中、緊張感を保ちつつストーリーは進んでいく。しかし、物語の核となる感染ルートのタネ明かしが釈然とせず、終盤に来ての突然のサイコホラー的展開に戸惑いを覚えた。ジャパニーズホラー独特の心理的恐怖を味わうには物足りなかったように思う。
ルーピーQ的評価・・・★★☆☆☆二つ星です。