
恋人同士だったジョエルとクレメンタインは、バレンタインの直前に別れてしまう。そんなある日、ジョエルのもとに不思議な手紙が届く。「クレメンタインはあなたの記憶をすべて消し去りました。今後、彼女の過去について絶対触れないように」 自分は仲直りしようと思っていたのに、さっさと記憶を消去してしまった彼女にショックを受けるジョエル。彼はその手紙を送り付けてきた、ラクーナ医院の門を叩く。自分も彼女との記憶を消去するために・・・。
第77回アカデミー賞、脚本賞受賞作品。
「失恋した相手を記憶から消したい」・・・恋の終わりから始まる物語に意表を突かれながらも、すぐに作品世界に引き込まれるのは、誰もが一度は抱くであろう身近な願望を扱っているからだろう。
記憶を消す事は幸せだった頃の記憶を辿っていくという事だ。逆回転し、交錯する時間軸に最初は戸惑うかもしれないが、過去を振り返る過程で描かれる心の中に住む彼女との会話や、思い出を通して自分をも見つめなおしていくジョエルの姿は観ていて切なくもあり、また共感する事ができる。
ラブストーリーでありながら、SFの要素もある物語に違和感を感じず入り込めるのは、主役の二人の好演によるところも大きく、ケイト・ウィンスレットがちょっと風変わりな女性を魅力的に演じれば、ジム・キャリーも気弱だが優しい男性を繊細に演じている。
記憶を消してしまった後、また出会ってしまったら同じ事を繰り返すのか、それとも・・・複雑かつ巧妙な脚本と、それを表現する絶妙な映像、巧みな伏線で観終えた後に深い余韻を残す素晴しい作品だった。
ルーピーQ的評価・・・★★★★☆四つ星です。
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