
名門工科大の学生、ジェームズ(コリン・ファレル)は、CIAの首席教官であるバーク(アル・パチーノ)にリクルートされる。ジェームズは、父の死の謎がCIAにあることを知り、この申し出を受けた。特別施設に集められたジェームズたちは、過酷な現場訓練と心理操作を叩き込まれていく。やがて彼は、訓練生のレイラと心を通わせるが、バークの仕組んだ拷問に屈したため訓練から外された。これは、ジェームズを秘密工作員に仕立てる偽装。そして最初の任務は、二重スパイの容疑がかかるレイラの監視だった・・・。
スパイの活躍を描く映画は数多いが、本作のようにスパイへの勧誘から始まる物語は稀だろう。勧誘→訓練→実践と進むストーリーは、常に「騙すか、騙されるか」のスリルに満ちていて、どこまでが訓練で、どこまでが真実なのか判らないまま二転三転していく。巧みに観客を翻弄する展開は、サスペンスとしてまずまずの出来と言って良い。また、CIAの新人採用がどのようなもので、 秘密工作員がどう訓練を積んでいくのかに肉薄している点が面白く、ベールに包まれたCIAの内部がリアルに描かれている。
細かい部分で疑問に思う点もあるが、コリン・ファレルとアル・パチーノの醸す緊迫感が些細な疑問を掻き消してくれる。アル・パチーノの曲者ぶりが堪能できた映画だった。
ルーピーQ的評価・・・★★・☆☆2つ半星です。